2017真夏の全国ツアー仙台公演〜2017年のインフルエンサー#8〜

8月のお盆前、僕は弟に誘われ真夏の全国ツアー仙台公演初日へ行った。前日から仙台入りして日ハム楽天戦を観て仙台観光も楽しんでライブを観るプランだった。チケットは弟が用意してくれて今回はスタンド席のステージ真横だった。スタンドだからステージは遠いだろうと思っていたらメンバーがハッキリ見えるぐらい近くて驚いた。

1曲目はこの時の新曲「逃げ水」夏らしい爽やかさの中に切なさがある曲だ。そこから数曲続いての「泣いたっていいじゃないか?」
逃げ水のカップリングで高山一実のセンター曲である。僕はステージの一番前に立つ彼女の姿を見ているうちに高山一実というメンバーに出会ってからの4年間を思い出していた。まだ乃木坂がトップアイドルと呼ばれる前の頃テレビに出るだけで大騒ぎだった。握手券が完売しなかったこと、三列目の端にいることが多く選抜発表で今回も選抜に入れるかドキドキしたこと、福神入りして大喜びしたこと、色々とあった。そして今日、センターステージで歌う高山一実がいる。その姿が涙で霞んだ。横にいる弟には悟られたくなかったが感情が抑えきれなかった。本当に嬉しかった。

この時の全国ツアーではブロードウェイのステージのようなショータイムのコーナーがありジャズアレンジのような「君の名は希望」や囚人と警官が踊る演出があり、衛藤美彩など警官役のメンバーが美しすぎて逮捕されたくなるぐらいだった。
ただ普通に曲を披露することにだけではない坂を登る物語の乃木坂からパフォーマンスの乃木坂へ進化を遂げようと挑戦していた。

それらが一通り終わると次のシングルの新曲披露として「いつかできるから今日できる」が披露された。映画版と舞台版の「あさひなぐ」出演メンバーによる薙刀パフォーマンスがあり、映画では薙刀を使う役ではない中田花奈と斉藤優里もパフォーマンス参加した。このために練習したのだと思うとグッときた。

この頃乃木坂は個人の活動が増えてライブで誰かが不在というのが珍しくはなくなってきていた。この日も生駒が不在。乃木坂初期のフロントだった生田生駒星野の3人の総称である生生星のユニット曲「満月が消えた」は映像の生駒に合わせて生田と星野が踊るものだった。映像と合わせるというなかなか難度が高いものだ。

アンダー楽曲も披露され、この時のアンダー曲は文字通り「アンダー」陽の当たらないポジションから希望を探す重たいテーマだった。そしてこの曲が終わりメンバーがステージを降りかけたところで火柱の演出で派手に選抜メンバー登場。炎の熱気がステージ横のスタンドにも伝わる。その時にはもう会場の殆どがアンダーメンバーを見ていなかった。残酷な事実だ。
その後の曲も逃げ水選抜が前に出るフォーメーションで構成され、「スカイダイビング」披露時もオリジナルメンバーである中田花奈と斉藤優里も逃げ水ではアンダーのためステージ上段でバックダンサーのようになっていた。彼女達はこんな場所にいる人じゃないと悔しくなった。

そんな中でパフォーマンスで突出していたのが中田花奈だ。世界で一番孤独なlover、インフルエンサーでは他のメンバーとは迫力が違った。彼女にしか目が行かなかった。まさに「ナカダカナシカ」。だから彼女がステージ最上段でバックダンサーのようになっているのが余計に悔しかったのだ。

ライブ終盤ではMCで逃げ水センターの与田祐希が小さな体から振り絞るように今日のライブの感想と今後の抱負を語る。その時会場全体は彼女を温かく見守ろうとしていた。与田祐希も応援したくなるアイドルである。この時はまだ緊張でぎこちなかったが今は本当に成長したと思う。
そしてサプライズで与田祐希写真集発売が発表。その日から撮影が始まり本人は訳も分からずカメラマンに写真を撮られていた。

ライブ後弟とは感想を語る間も無く会場を大急ぎで後に。翌日の仕事のため、様々な感情を抱えながら弟に見送られ東京行き最終のやまびこで仙台を離れた。

この夏、乃木坂は神宮に始まり仙台、大阪、名古屋、新潟、そしてファイナルの東京ドーム公演で各地のファンを魅了した。

ラジオとアイドルと鉄道模型に特化した人間です。 こちらでは鉄道模型作品の発表、自宅のNゲージタウンの日常や坂道48を中心としたアイドルの話などをしたいと思います。 週一回更新「潤ちゃんのリインカーネーション」