見出し画像

白い部屋と猫

僕は精神病棟のような白い部屋に猫といる

まだらのつやつやとした茶色い毛並み

しなやかな肢体でぬるりぬるりと歩く姿

金色の瞳と針のような瞳孔

その姿に僕は気が狂うほど魅了されている

でも近寄っては来ない

時たま一つだけある窓枠にひらりと飛び乗り

じっと外を見る

窓の位置は高くて僕には見えないが

飛び出ようとしないのは

よほど高くて絶壁のような壁なのだろう

そうして暫くすると降りてきて

部屋の角に寝そべり

顔を横に向けて僕をじっと見る

君は僕に何を思う

君といて何日たったのだろう

何年もの様な気がする今日

初めて君が僕の膝に来た

見上げる瞳に愛おしさがこみ上げる

君は何を望むんだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?