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場末のディサービス(うーさん)

久しぶりに美容院に行ってきた。前回から美容院を変えてみた。
気にいる美容院が見つかるまで あっちこっち徘徊している。
2回目の美容院 説明がよく いいかもと思う。

夫が「新しい美容院はどんな感じ?」と聞いてくるので
「いい感じだよ 飴ちゃんくれるねん』と言ったら 「君は子供か?
飴で釣られるのか?」と言っている

飴で釣られて悪いか! 毛染めの匂いで咳が出たり エアコンで咳が出たりする
私 美容師さんが「お水お持ちしましょうか?飴はいかがですか?」なーーーんて
言ってくれると もう絶対決まりって思ってしまった。

場末のディサービスには毎月2回美容師さんが来てくれて 希望する利用者さんは
散髪をしていた。男性の利用者さんは坊主にされる方が多かったが、女性の
利用者さんは 美容師さんとおしゃべりしながら 楽しくカットしてもらって
いた。うーさん 毎月散髪を希望されていた。

私は、奥さんが美容師さんなのに切ってあげれば・・・
ん・・・どこ切るんだろう 髪の毛ないのに・・なんて(ごめんなさい)思ってた

奥さんが 両サイドが伸びて耳にかかると 痒がるから・・・
うーさん 来所を始めて6.7年になるかな  利用開始直後は 杖をつきながら
歩いて来所されていたが 病状が進行され 歩行が困難になり車椅子使用となる

体の大きなうーさんを女性スッタフでは危険を感じるようになったので
送迎車までの歩行は車椅子を使うことになった 自宅前の道路が狭く 大きな
送迎車が停められなくて 10メートル先の道路まで車椅子で移動 ディサービスの
中では 杖を使って歩行し、機能訓練士による歩行訓練もしていた。

それもだんだん困難になり車椅子 ベッドで横になる日が多くなってきた。

大脳皮質基底核変性症  難病に指定されている。
一側に上肢あるいは下肢に筋肉の強張りや、動きにくさ あるいは動作の際のぎこちなさ
使いにくさがみられるようになり徐々に顕著になってくる。
発症後5〜10年で寝たきりになりその予後は不良となっている

うーさん 飲み込みが悪くなり 食事が難しくなってきた
場末のディサービスでは刻み食に変更して食事介助を行う。なかなか飲み込みができない
ご家族と色々食事について相談してみる ミキサー食も話してみるが
うーさんが「まずい」と言われるので なんとか刻み食で対応することになった

ディサービスで喉に詰まらせることだけは避けなければ・・・
食事がうまく食べられない利用者さんに無理に食べさせようとすると 誤嚥性肺炎に
なられることがあって 食事介助は本当に難しい。

胃ろうという話も出たが ご家族がそこまでは・・ということだった。
奥様が頑張って介護をされていたが 奥様が脳梗塞になり急遽 ショートスティを
利用することになった。
その頃うーさんは言葉も出なくなり「おーい おーい」と奥さんやディサービスの
スタッフを呼んでいた。
「そんなに お母ちゃんばっかり呼んでいたら お母ちゃんしんどいやん」と
声かけしていたのに・・・
奥さんは うーさんのためにうーさんの好きなそばを湯掻いて1本1本丸めて
食べさせていた 「お父さん 果物が好きやから・・小さく切ったイチゴ 柔らかく煮た
りんごを食べてもらった」と喜んでいた。

私の両親と同郷と言うこともあって 島の話をすると うーさんは「う、う、う」と
声を出して笑っていた。
島の方言で話をすると とても喜んでおられた。

先週 空に逝かれたと連絡があった。
うーさん お疲れ様でした。奥様 ご苦労様でした。

胃ろうは希望されなかったらしい

主人は 私に「何もするな」と言っている
私に できるだろうか・・1日でも長くと思うのでは・・・

私は自然のままでと思ってる。

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