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デューン 砂の惑星

「デューン 砂の惑星」(原作フランク・ハーバート)が劇場公開されている。監督は「ブレードランナー 2049」のドゥニ・ブィルヌーヴ、2時間を超える超大作で、新聞評ではなかなかの出来映えだそうである。1984年のデヴィッド・リンチ版は原作に圧倒されたような感があったが、今回は原作に堂々と応えているそうだ。まだ観ていないし、映画通ではないから、何の評論も出来ないのだが、デューンという言葉を聞くと、紀元1万年の銀河帝国の世界に引き込まれていくのである。「スターウォーズ」も一通り観たが、あれは銀幕の絵空事。惑星アラキス、砂丘(デューン)、砂虫(サンドウォーム)とくれば、まさに自分が宇宙の果ての異世界に入り込んだような錯覚に陥ってしまう。映像よりは活字派の僕は、映画で観るよりも小説で読む方がはるかに感情移入しやすいのであろう。
写真左のハヤカワ文庫のカバーは、僕が昭和57年に購入したものである。初版はその10年前。原文では読んでいないのだが、日本語訳は矢野徹、SF翻訳の大御所である。シンプルな日本語が物語の重厚感を伝えている。表紙と本文中の挿絵は石森章太郎、重たい小説にしてはアニメチックであるがさすがSF通の石森、主人公ポウルの雰囲気がよく出ている。小説は文庫本3冊であるが、物語は完結するはずもなく、その後、続編が次々に刊行された。しかし、ハーバートの文体はますます重厚になり、ストーリーよりも心理小説、哲学小説の様相を呈してきて、途中で挫折してしまった。
写真右は現在のハヤカワ文庫(訳者は酒井昭伸氏に変わっている)の表紙、写真中は今回の映画のスティール写真である。
ご興味おありの方は、映画でも小説でも結構ですので、感想をお聞かせ下さい。

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