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先人の知恵 梅ふきん

「つやふきん」とも呼ばれる「梅ふきん」をご存じでしょうか。

漆器や木製の家具の「つや」を出すために使われる「梅ふきん」
初めてその存在を知ったのは、大好きな料理研究家、辰巳芳子さんの著書「仕込みもの」を読んだ時です。

梅のゆで汁でたいた梅ふきんは、自然のつやふきんとなります。梅ジャムや煮梅のゆで汁、落ちて割れた梅を煮出して、使い古しの布を30~40分たきしめたものです。

仕込みもの 辰巳芳子

この布で漆器や木製の家具を拭きあげると、「つや」が出るというものです。

辰巳先生も、香道の恩師・坂寄紫香先生から教えていただいたと本文中でおっしゃっておられます。

先生は代々、水戸家の御殿医、祐筆の家柄のご出身で、その教養と知恵と知識は一朝一夕にして備わらぬものをお持ちでした。

仕込みもの 辰巳芳子

梅の煮汁で炊いた布で、漆器や家具を拭くと「つや」が出るなんて、どうやって分かったのでしょう。
もちろん長年の経験からくるものだとは思いますが、まったく先人たちには恐れ入ります。

試しに磨いてみましたが、びっくりする程のつやは出なかったです。
私の磨き方が悪いのか、そもそも本物の梅ふきんになってくれていたのか。

「つやふきん」という呼び名に、日本ならではの趣を感じられます。
このように昔から伝わる知恵や手法は、これから先も続いてくれたらいいなと思います。

このようなものを継承する授業が学校であればいいのに、なんて思ってしまいます。

どうか、古き良きものが好きな方が、作ってみて、使ってみて、伝えていってくれますように。






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