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都立入試国語大問3「物語文」対策について記事を書く。

以下、平成31年の都立入試問題。

前回の記事はこちら。

では、問題文を確認すると、

「〔問 5 〕(5)「ええ、ぼつぼつ咲きはじめたようです。」とあるが、このとき の馬淵の気持ちに最も近いのは、次のうちではどれか。」

と書かれているので、馬淵の気持ちを取り出していこう。

本文を確認していくと、

「母は、八十六歳の冬、たまたま暖冬だったために上京を躊躇っているうちに寒波に襲われ、郷里に留まっていて脳血栓で倒れた。そうなる前に、説得して、馬淵が姉と一緒に引き取るべきだったのだが、二人の頑なさに辟易しているうちに、手遅れになってしまった。
母は、寝たきりになって、町の県立病院に五年いた。遠くに住んで、なにか急な知らせがあっても、おいそれとは動けぬ仕事を抱えている馬淵は、小刻みに別れるつもりで、月にいちどは眠る時間を削って母の様子を見に帰っていた。
五年目、といえば母の生涯の最後の年だが、春、いつものように母を訪ねて枕許の円い木の椅子に腰を下ろしていると、自由になる右腕を馬淵の首に巻きつけ、引き寄せて、
「お前方の田打ち桜は、はあ、咲いたかえ?」
と呂律の怪しくなった口で囁いた。
(5)「ええ、ぼつぼつ咲きはじめたようです。」
馬淵はそう答えながら、出がけに一枝折ってくるのだったと思ったが、もはや後の祭りであった。

と書かれているが、以上の太字となっているところに着目しよう。

太字の表現から、

馬淵の母に対する想い

を理解することができる。

その太字の部分をしっかり読んでいくと、馬淵は、母に対しての

愛情と後悔

をしっかり持っていることが把握できる。

そこから選択肢を吟味していこう。

では選択肢を確認すると、

「花は咲いたかと懸命に確かめようとする母の言葉を聞いて、毎年孫
と眺めていた田打ち桜をもう一度見たいと強く望んでいるのだと思い、
せめて花だけでも採ってきて見せてやればよかったと悔やむ気持ち。」

「花は咲いたかと無理をして尋ねる母の言葉を聞いて、部屋にいて季
節が感じられず田打ち桜の様子を知りたいのだと考え、家を出る前に
枝の手入れをして花の咲き具合を見ればよかったと反省する気持ち
。」×

「花は咲いたかとつぶやく母の言葉を聞いて、病気のために田打ち桜
を見にいくことはできないだろうと弱気になっていると感じ、母を励
まして元気にするために次は花を持ってこようと意気込む気持ち
。」×

「花は咲いたかと控えめに話す母の言葉を聞いて、互いに好きな田打
ち桜の様子を聞くことで会話を弾ませたいと考えていることに気付き、
花の様子が分からず適当に答えることを後ろめたく思う気持ち。」×

太字の部分に着目すると、答えはとなる。

アとなる根拠も前述したとおり、馬淵の母に対する

愛情と後悔

がその根拠となる。

このようにしっかり根拠を取り出す国語の解き方をしっかりマスターしていこう。

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