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都立入試理科の「糖の分子実験」対策について書く。

以下、平成29年の都立入試問題。

では問題文を読むと、

「<仮説>の ⑴ ~ ⑷ にそれぞれ当てはまるものとして適切なのは,次のアとイのうち ではどれか。」

と書かれている。

まずは問題文にある〈仮説〉を確認していこう。そうすると、

「<仮説> 一定の大きさの微小な穴が多数あいている薄い膜を用いて作られた袋Yを二つ用意する。
① 一方の袋Yに,40℃で10分間保った⑴を入れ,図3のように水の中に1時間つける。袋Yを取り出し,ビーカーに残った液を試験管に,少量とり,ヨウ素液を入れると,試験管中の液の色は⑵になる。

他方の袋Yに,40℃で10分間保った⑶を入れ,図3のように水の中に1時間つける。袋Yを取り出し,ビーカーに残った液を試験管に,少量とり,ベネジクト液と沸騰石を入れてからガスバーナーで加熱すると,試験管中の液の色は ⑷になる。①と②の両方の結果が得られると,ブドウ糖がいくつか結合した物質の分子は,デンプンの分子より小さいと言える。

と書かれている太字に注目していこう。

まず〈仮説〉から確認すると、

なぜ「一定の大きさの微小な穴が多数あいている」と書かれているかというと、それは

ある分子が、その穴を通過できるかどうか

がポイントとなる。

だから最後の文に、

ブドウ糖がいくつか結合した物質の分子は,デンプンの分子より小さいと言える。」

と書かれており、つまり

ブドウ糖がいくつか結合した物質の分子=糖

となるので、

でんぷん…大 糖…小

を証明するための実験だということを押さえていこう。

そこから選択肢を考えていくと、

(1)と(2)は、

ヨウ素液

を入れる実験なので、

ヨウ素でんぷん反応

を観る実験だと考えよう。

よって、(1)「デンプン溶液と水」で、(2)デンプンの分子は糖の分子よりも大きいため、穴を通すことができないという事を確認する実験であるので、ビーカーの中の水溶液にデンプンは出ていかないから、ヨウ素液のそのままの色である「茶褐色」が正解となる。

次に(3)と(4)は、

ベネジクト液

を入れる実験なので、

ベネジクト液を青色から赤褐色へ

変化させる実験だと考えよう。

よって、(3)「デンプン溶液と唾液」で、(4)糖の分子はデンプンよりも小さいため、穴を通すことができるという事を確認する実験であるので、ビーカーの中の水溶液に糖は出ていくから、ベネジクト液が青色から変化した「赤褐色」が正解となる。

解答は、

(1)ア(2)イ(3)イ(4)ア

となる。

今回の問題は、今までと比較すると

しっかり文章を読まなければならなく、また理解度も求められる問題

であった。

常に普段から実験に取り組んでいる子はこのような問題をしっかりイメージできるはずだが、そうでないとなかなかイメージがしづらい問題である。

だからこそ、理科はけして知識だけに頼る学習ではなく、普段の学校の授業から実験に取り組むようにしていこう。

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