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除夜の鐘のあの鐘は勝手に撞いていい?

 年末年始はお寺も忙しく、除夜の鐘に元旦のお勤めに新年挨拶回りに・・・1月2日それらの勤めを終えてお寺でホッとひと息ついていると、
突然、梵鐘(除夜の鐘で撞く鐘のこと)が「ゴォーン!ゴォーン!ゴォーン!」と境内に鳴り響き、現場に行くと満足そうにお寺から出て行かれる女性の後ろ姿・・・「コラーッ!勝手に鐘を撞いたらあかんぞ!!」とは、言っていませんが、あの鐘は勝手に撞いてはいけませんよ^^

除夜の鐘のあの鐘は、普段いつ撞かれているのか

 除夜の鐘のあの鐘を、梵鐘(ぼんしょう)や洪鐘(こうしょう)と言います。
梵鐘が普段、どのように活躍しているかご存知でしょうか?
 日本の仏教寺院は、地域性が強くてお寺により様々な使われ方をしているのですが、その使われ方の多くは

①法要の始まりの合図
②時報の合図
③除夜の鐘の時
④非常時の合図

の4つが、梵鐘の使われ方になります。
①は、お寺での法要の始まりに鳴らし、近所などに始まりを知らせます。
②は、時報の役割として、正午や夕刻などの決まった時間に鳴らします。
③は、大晦日の除夜の鐘の時に、煩悩を打ち消すために撞きます。
④は、火事などの非常事態に鳴らします。
 (非常時の鳴らし方は“連打で撞く”です。)

鐘(梵鐘)を勝手に鳴らすと混乱を招きます!

 以上のことから、お寺は地域に密着しているだけに、勝手に撞くと地域の方が混乱してしまうのです。

例えば、毎日、正午に梵鐘を撞いているお寺があると、地域の方は鐘の音を聞いて“お昼になった”と思われます。その地域では、鐘の音=正午となるのです。
そこに、好き勝手な時間に撞いてしまうと、近所の方々の時間がおかしくなってしまう。ということが起きてしまいます。
もし、連打して鐘を撞こうものなら、近所のみんなが家から飛び出してくるという事態も起こりかねます!

 必ず鐘を鳴らす時は、住職さんなど撞いて良いかの確認をしてから撞くようにしましょう!

ライブ配信の除夜の鐘って、あり?なし?

 大晦日は、除夜の鐘を撞きに行かれる方もおられると思います。
しかし、昨年はコロナ渦で一般の参拝をお断りしている寺院も多く、また、オンラインでのライブ配信をされている寺院も多かったように思います。

浄土宗の総本山知恩院(京都)もライブ配信を行っておりました。
(知恩院の鐘は、バックドロップ形式で撞きます。ぜひご覧ください)

 ネットで調べてみると、結構な寺院が除夜の鐘をオンライン配信していました。上記の知恩院の視聴が10万を超えているではないですか⁉除夜の鐘のオンラインもあり!なのでしょう。お寺の関わり方もだいぶと変わってきましたね。

結論

ということで、お寺にある鐘は勝手に撞かないようにいたしましょう^^

合掌

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