コント『ペット葬』

係員、電話をしている。
係員「はい、金魚ですね。もちろんペットなら何でもお受けします。お待ちしております。」
係員、電話を切る。
係員「いやーここまでペットの種類が増えると、ペットの葬儀も大変だな。」
客、登場。
係員「こんにちは。」
客「すみません…昨夜うちのマンボちゃんが亡くなって…」
係員「そうですか。こちらにお掛け下さい。マンボちゃんは今どちらに?」
客「ここです」
係員「この箱の中に眠っているのですね。お顔を見させてもらっていいですか?」
客「はい」
係員「これロボット掃除機のルンバですよね。」
客「はい。でも名前はマンボちゃんです。」
係員「ラテンミュージックですか。あのー当社では、ペットなら何の種類でも葬儀できますが、さすがにロボット掃除機は…」
客「ペットなら何でも葬儀できると聞いたんですけど。私の大切な家族ですよ!」
係員「そうですよねー。でも火葬となるとちょっと難しい面もありまして…」
客「聞いていただけますか。」
係員「あ、はい。」
客「この事の出逢いは2年前、かわいそうにハードオフで捨てられていたんです。」
係員「中古ですよね。」
客「飼い始めは新しい飼い主に慣れてなくて言うことも聞かず、カーペットの段差で寝てばかりでした。」
係員「突っかかって充電切れただけでしょ。」
客「でもある日この子は私に返事をしてくれたんです。フィルターを取り替えてくださいって。とても嬉しかった。」
係員「まあ掃除機ですからね。」
客「こんなこともありました。ある日家から帰ってくるとマンボちゃんが家の中にいないんです。私は必死に探しました。車になんか轢かれたらどうしよう。」
係員「外には行かないでしょ。」
客「ビラを作って町内中に貼ったりもしました。」
係員「怖い人だな。」
客「どこにいたと思います?ソファーの下のカーペットの段差で寝てたんです。」
係員「またカーペットかよ。そのカーペット捨てろよ。」
客「可愛いところもあったんですよ。なんとか出来ませんか?」
係員「分かりました。責任持ってルンバちゃんにとって良い葬儀を行わせていただきます。」
客「あの、ついでになんですがこの洗濯機も出来ますか?」
係員「嫌です。」


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