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「悟りへの道」という本を読んだ

金倉円照さん訳のこの本は今や絶版でアマゾンやメルカリで高額で取引されていて、古本屋でもなかなか見つからない本だ。
その本が実家近くの大学の図書館にあるらしいので
実家に遊びに行くタイミングで寄ってみた。

受付で、他県から来た怪しい女風をなびかせないようにシャキシャキと振る舞い
なんとかセキュリティを突破し、広大な館内に迷いながら二階奥の仏教コーナーへ辿り着く。
そこからが苦難の道のりだった。

検索機で本がある棚を教えてくれるのだが、その棚をいくら探しても見つからない。
その周辺の棚や関連がありそうなテーマの棚もしらみつぶしに探したが見つからない。かれこれ20分は探している。
いつもなら5分探したあたりで「この本どこにありますか?」と匙を投げるのだが、今回は自力で見つけなければいけない。悟りへの道はもう火蓋を切ってしまっているのだ。

30分ほど経った頃、これはもしや実際は無いのになんらかのミスでこの図書館にあることになっているのでは?と諦めかけたその時、何度か探したはずの棚からポツンと佇んでいるその本を見つけ、泣きそうなった。

ボクはずっとここにいたよ

借りたいところだったが実家から自宅(他県)に帰る日が迫っていたため
ガラガラの館内の椅子に座ってページを開く。

第八章完全なる瞑想より

”勝れる者には嫉妬を
等しい者には抗争を
劣れる者には慢り(おごり)を
何時愚者から善福が生ずるか”

”もし愚者に遭遇したならば愛を持って彼を宥めよ
但し親交を結ばず、むしろ無関心な聖者の振る舞いに倣え”

”どんな物でも、意が快楽にくらまされてそれに怡びを求めるならば
それぞれのものは千倍の苦しみに変じてあらわれる”

”自我を捨てないでは苦を捨てることができない
それは火を捨てなけれな焼傷を免れないのに等しい”

金倉円照訳「悟りへの道」

こんな感じの読みやすい文が続き、ほうほうと読み進めていくと、
インド占星術の勉強者としてグッと来る一文がありました。

”旅行者が途中で宿をとるように、存在の旅路(即ち輪廻転生)をたどる者も亦
それぞれの生に宿をとる"

惑星は常に動いていてある部屋にトランジットして宿の主に影響を与えている。
カルマの観点では、
恵まれた環境や容姿で生まれた人も前世や今世で代償を支払い、来世で代償を背負うのかもしれない。
プラスがあればマイナスがあり、この世は常にフラットになるようになっている。
たとえそれが今世で実感できなくてもそういうものなのだ。
そんなことを感じました。


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