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シロアリ対策と苦難の乗り越え方は一緒

とっても田舎に住んでいる。
近くには海や山があって民家もポツポツと点在するがほとんどが自然に覆われているため、虫との共存がテーマと言っても過言ではないほど避けては通れない問題である。
梅雨時期の今は1年で一番しんどい。
シロアリがほんの僅かな隙間から民家の灯りを目指して家の中に入り込むからだ。

シロアリと言っても一年中木材を食い荒らす種類のものではなく、梅雨時期だけ外から飛来する種類だ。
体長1cm弱、色は黒とか茶色で、羽根は家に入る時点で抜け落ちていて無い。
多くは壁や天井に這っていて、力尽きて床に落ちたりしている。
室内でも羽根があり飛び回るのが多い家は、残念ながらシロアリの巣があるという(らしい)。
寿命はその日の夜の数時間だけで大体次の日には死んでいて、ピークは1日〜2日でそれを乗り越えれば翌年まで来ないのだが、そのピークの日が読めないので困る。
こう書くとそんなに脅威を感じられないが、実際は悲鳴モノである。
数が半端じゃないのだ。
そんな昨晩の状況を備忘録として書き記しておこうと思う。



雨戸も閉め照明の灯りも最小限にし除湿もかけ、対策は万全のはずだった。
午後7時15分、夕食の準備が出来て皿を出そうとしたその時、キッチンのカウンターの上にシロアリを2匹確認する。(キッチン電気消してたのにー)
ギョッとしたのも束の間、夫がキッチンに入り点検を開始すると時すでに遅し、
キッチンの天井に数十匹のシロアリが確認される。
幸い明かりが漏れないようにシェードをしていた居間側には、明かりがついているにもかかわらずその時点では1匹しかおらずホッとする。エアコンの除湿が効いていたためか。
しかし、甘かった。
室内を極限まで暗くしていたためわからなかったがよーく見ると天井や壁に十数匹はいて(それでもキッチン側に比べたらだいぶマシだった)、そこから小一時間戦い続けた。子供だけ先にご飯を食べておいてよかったと思った。

結局食事にありつけたのは8時半過ぎになり、アヒージョの鷹の爪のかけらがシロアリの残党に見えたりして非常にデンジャラスな夕食となった。
結局キッチン側には2〜300匹程いて、来年への傾向と対策を考えてみたがどうも「出没日に家を空ける」以外は愚策と思えてきて考えるのをやめた。




子が寝、気分も落ち着いてきたのでベッドに入りながらXを検索しているとやはりこの地区一帯で被害がすごかったらしい。
猛者の家では、煌々と明かりが付き羽根付きのシロアリの大群がブンブン舞っている様子が載っていて笑ってしまった。強い、強すぎる。
賢者は、まだ薄暗くなる前にシロアリの匂いを察知し家の中を全消灯し、車で街中に避難していたり、外食を楽しんでいたりしていた。

我が家は万全の対策を取ったつもりだったので油断が出てしまい昨晩は惨敗したが、シロアリが出没する時はなんらかの合図がある。

・雨の日の翌日の晴れた日
・夕方街灯に羽根付きの大群が舞う
・燕や雀が低空飛行する
・ヤモリがいる
などなど

と言ってもやはりピークの日がわからないので毎回家を空けるのもしんどい。
そんな時、ふと数年前出没数が半端じゃなくてトラウマになった日の記録の日付を見てみると、やはりピークは6月20日前後らしかった。
自然界には法則がある。
波は数十回に1回の割合で大きい波が来る。
来年以降、この日の前後一週間の晴れた日は避難して非日常を楽しもうと心に決めた。


入り込まないようあらゆる隙間をブロックしたとしても、少しでも灯りがもれれば奴は来る。
新築を建てたとて灯りがあれば結構な確率でやってくる。
対策に時間と労力を費やした分、侵入された時のダメージは計り知れない。
もう奴と正面から戦うのはやめた方がいい。

いくら困難の原因を突き止めても対策しようがないことはある。
そんな時は逃げるが勝ちなのだ。
全ての明かりを消し、除湿して出来るだけ室内を乾燥させ、夕方の6時〜10時の間家を空ける。

年に数回そんなことをしなければならないなんて面倒くさくて無理!
そうかもしれない。しかし、違う場所に住めばシロアリからは免れるかもしれないが他の対策が必要になるだろう。
家賃が高い、見栄の張り合い、シックハウス、騒音、G‥。
物質世界にいれば悩みは尽きない。どこにいても結局同じなのだ。

問題を一旦放置し、物理的に遠いところに身を置けば現実は実際の体がある側になる。
あらゆる問題は自分が問題と思っているだけで本当は存在しないのかもしれない。

炎がなければ火の粉は浴びない。
火の粉を浴びなければ炎は存在しない、幻想(マヤ)なのだ。





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