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ジイちゃんと暮らす猫

年寄りだけの家で育てられた猫はワガママになるという。
まして、全く家から出さないようにしてる家猫にとって、自分よりも大きな他人は、ただただ恐いのだろう。


正月が近いので家の片付け、という名目で娘が昨日の午後に一人で来た。
本来の目的は、定期的に行われている「サタデー・ナイト・フィーバー」のようだ。たまたま学生時代の友人が近県にいて、定期的に行われている報告会、家での愚痴話を語る会に出席のために泊まりに来た。

仏間に物干し竿を2本置いて、そこをタンス代わりに春夏秋冬いつでも着られ様にぶら下げている。次第にその下には要らなくなった物が積み重なっている。二人にとっては実に気持ちの良い遊び場であり、疲れたら洗いざらしのまま散乱してる、その中に潜り込めば良い。

二階の娘の部屋は、もう片付けも出来ないくらい格闘技の練習場になり、物が散乱してる。ふたりにとってこの二階と下への階段も足腰鍛える運動場になり、大きな座布団のマットも運んでいた。

先ずはマメオから抱っこ。「シャー、シャー」と横を向いて怒ってる。いつも娘の車が来ると、洗濯機の上に逃げ込むので直ぐに捕まってしまう。次はエビオで、大きくなったねえ、と高い高いをされると、あの大きな身体を真ん丸にして震えている。誰が来てもこうだから、可愛げがないとか、年寄りと暮らす猫は・・・などと言われたしまう。

過去最大級の人嫌い猫、エビオ

畳に置かれた洗濯物や、タンスの中の着なくなった物を、ゴミ袋4つにサッサとまとめ、友達の迎えで飲みに行ってしまった。

散乱した洗濯物はふたりの遊び場であり、疲れたら休む場でもあり、布団替わりに潜り込んでは寝ている。それを全部、ゴミ袋に入れられてしまった。隠れて、片目でそれを見てるだけ。

友人が迎えに来て、やっと静かになった、何も無い畳の匂いを嗅いでる。見ていて笑えてくる。


仲良く寝てたのに

部屋でJAZZなどを聞きながら飲み、静かな夜に一人思い出に耽り、ふたりは後ろの布団に入り寝てしまった。寝付いた頃に送られて娘が戻ってきた。


これからが大変な事に、ふたりして様子を見に行っては、一々報告に来る。寝てるよ、とか、まだ居るよ、とか、起きてるようだよ、なんて。
マメオのダミ声が耳元でささやかれ、反応しなければ軽く爪を立てて起こそうとする。こんな事がもう、2時から続いている。

トイレに起きるとサッと部屋に逃げ込み、寝てる上に飛び乗り身構える。布団に帰る気配でマメオが様子見に出て行く。そのたびにデカいエビオが机や本棚に飛び乗って隠れる。何の意味があるのか・・・。

明るくなって、カラスが遊びに来て、柿の木には小鳥が集まってるのに、相変わらずふたりは交代で見に行ってる。

本を開いても、半分寝てるので、何を読んでるのかも解らない・・・。


お疲れのふたり、一晩寝られなかった

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