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猿ヶ京温泉「長生館」

少しずつ秋が深まり、朝の寒さで猫ふたりが競って顔の近くに寄ってくる。木々の色も変わる季節になり、腰などの関節が痛み始めると、無性に猿ヶ京温泉長生館が恋しくなる。

みなかみ温泉・湯桧曽温泉・猿ヶ京温泉:温泉案内[鐵道省、昭和16年]

猿ヶ京温泉、元々は笹の湯(1軒)と湯島温泉(3軒)だった。さらにいえば、江戸時代は冷鉱泉の笹ノ湯だけで、近在の人達が農閑期に訪れるくらいのようだった。今の長生館の下辺りから湯島(ゆじま)温泉が湧いて、4軒が湯宿として営業していた。赤谷川を堰き止め、ダム建設のため、昭和30年代初頭に現在の高台に移転した。元々の4軒のうち、高台に移転の後に2軒が廃業して日帰り温泉「まんてん星の湯」に、桑原館が猿ヶ京ホテルとして再開、もう1軒が長生館だ。

建物も風呂も湯量も大きい長生館の玄関
参考までに成分分析書
移転時に地元民の使用も許可したとかで「みなかみ町」の記載もある

高度成長期に、温泉旅行がブームになり、掘削により源泉井を増やし、一時期は46軒の湯宿があったが、現在は温泉組合登録軒数は、確か16軒にまだ減ったと記憶している。猿ヶ京に関しては、かなり詳細な温泉やダムや、歴史の研究論文があったのだが、見つからない。

露天風呂と言うよりも野天風呂という表現が合ってる
野天風呂も高温湯調整無しの放流掛け流しだが、広いので適温になる

湯島(ゆじま)温泉700〜715㍑/分の源泉のうち、180㍑/分を「まんてん星の湯」が、150㍑/分を猿ヶ京ホテルが使用し、ほぼ半分を長生館が使用してる。豊富な湯量を使用しての広い野天風呂が有名だ。広くて眺めの良い野天風呂だが、ここにたどり着くまでの石の階段、約80数段はかなりキツイ。野天風呂は広くて開放的で、完全放流掛け流し。内湯も放流掛け流しで、中央の湯口にコップがある。

この広く大きな内湯が良い、サウナ気分で外を眺めるのが良い
この石段は見た目以上にキツい

長生館の玄関前には飲泉所があり、持ち帰り自由は自由に出来るようで、近在の人が大きなペットボトルで汲んでいた。内湯・野天風呂、共に放流式なので湯の鮮度は良いが、体感42〜44度と熱い。野天風呂は深い林を抜けてくる空気がヒンヤリして気持ちが良い。湯の熱さなど気にもならない。内湯は虫が入らないように全て閉じられているので、熱く感じる。どこかの口コミで熱いと書かれていたが、それを気にしたのか、内湯の使用量を少し絞ったようで、最近は体感41度くらいに思える。個人的には元の温度の方が良いのだが。広い内湯は湯の熱で充分に暖められている。湯に入ったり、湯から出て広いガラスから赤谷川を眺めたり、そういうダラダラとした入り方が出来て良いのに。

玄関前の駐車場にある飲泉所

泉質はCa・Na-SO4、さっぱりした石膏泉・芒硝泉弱アルカリ性低調性高温泉。野天風呂が有名だが、1回しか入ったことがない。長生館の内湯が好きで、長時間掛けて出たり入ったりしてると、何となく痛みのある関節部分が、ジクジクとジワジワムズムズしてくる。宿を出る頃には、腰痛や膝の痛みが感じられなくなる。温泉の効能が感じられて、関節の痛みが出ると長生館を思い出してしまう。

夕食
朝食

口コミではいろいろうるさいようだが、豪華なホテルが良いならそれなりの料金の宿を選べば良い。1人1泊12,000円で広い部屋と大きな内湯とこの食事で、充分にありがたいことだ。

お食事処「歩」のあずま丼

猿ヶ京温泉や法師温泉に行く時には、お食事処「歩」のあずま丼が絶対にお薦めだ。ところが、もしかして休業になったのかな。もし休業となると、大きな楽しみが無くなってしまう。

長生館近くから
バンジージャンプがある。八ッ場ダムが出来てこちらに移ったのかな。
猿ヶ京関所資料館

猿ヶ京関所資料館は、ぜひ寄って欲しい所だ。小さな資料館だが、中の写真撮影も自由に出来る。各地の資料館や博物館では撮影禁止が多いが、地元の歴史に誇りを持つなら、家に帰ってから調べるためにも、撮影を許可してもらいたい。ここの資料館には、関所が出来た頃からの書物も多く収蔵されていて、許可を得て見させてもらったら、手本にして文字を習っていたような跡も見えた。こういうチョットした所からも、昔の識字率の高かったことが解り面白い。

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