人生、綴ってみた 【独身編】 #3
結局
高校卒業後は就職
私は親元を離れて会社の寮で暮らした
働いて働いて
体を壊して、実家に逆戻り
父が会社を解雇されたのと重なった
運良く、私はすぐに再就職
そこからはまた
ひたすら働く日々
ようやく好きな人ができた
結婚しようと言われて指輪をもらった
初めての幸せに酔いしれていた
対して、父は職探し
職が見つかってもニ、三日でクビになる
そんなことの繰り返し
世の中が悪いから政治家になる、と
言い出したり
知り合いが結婚相談所をやっていて
面白いくらい儲かる、と聞けば
広告の裏に鉛筆で
「結婚相談所」と書いて、玄関先に貼る
やることなすことメチャクチャだった
結婚相談所の
広告の注文をしていると聞き
即座に電話をしてキャンセルした
それが父の怒りにふれた
「俺の邪魔をしやがって!」
凄まじい怒りだった
父はもう、人間の顔ではなかった
鬼のような顔とは
こういう顔をいうのだろう
殴られ、蹴られ、弾き飛ばされ
私は机の角に額をぶつけた
額が割れて血が流れ出た
私は彼氏に助けを求めた
彼なら、私を助けてくれる
私を抱きしめてくれる
守ってくれる
そうそうドラマのようにいくわけがない
彼氏は私の額を見ながら言った
「俺、お前のこと、受け入れられない。
父親が娘にそんな事をするなんて、
信じられない。
俺にはお前は無理だ」
結婚の約束までした人に
あっさりと振られてしまったのだ
絶望しかなかった
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