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ビーチボーイズ ベストスタジオアルバム (ただしペットサウンズをのぞく)集計結果とコメント

はじめに

私、じゃみ(@jyami_moon)が主催しておりました投票企画のまとめになります。以下、投票率(全体100%中)昇順で作品とコメント(抜粋)を紹介して参ります。

投票率 5/100% のスタジオアルバム

Surfin' U.S.A. [1963]
Surfer Girl [1963]
Little Deuce Coupe [1963]
Shut Down Volume 2 [1964]
20/20 [1969]
Carl & The Passions - So Tough [1972]
Holland [1973]
15 Big Ones [1976]
Still Cruisin' [1989]

コメント(抜粋)

表題曲が青く、切ない。ー Surfer Girl [1963]
シンプルに爽快なビーチボーイズサウンドを求めるなら。ー Little Deuce Coupe [1963]
冒頭と2曲目だけでも名盤。全体的にバランスが良い。ー Shut Down Volume 2 [1964]
寄せ集め感は否めないが、良い曲が多い良作。ー 20/20 [1969]

企画者コメント

1960年代なら20/20はマストかなと思います。確かにレーベルとの契約の関係上、消化試合的にリリースされたアルバムで、統一性は正直乏しいですが、彼らの様々な表情を垣間見れる良作です。優先性は無いですが是非聴いてほしい一枚。その他リッキーファター、ブロンディチャップリンが参加したSo Tough、Hollandも捨てがたいですね。前者はファンキーなグルーヴに対し後者はドリームポップと、対極な作風が楽しめます。HollandはSail On, Sailor以降はかなりキマった楽曲が続き、最後はブライアンのおとぎ話が始まるというドリーミーっぷりなので玄人向けかと。


投票率10/100%のスタジオアルバム

The Beach Boys' Christmas Album [1964]
Beach Boys Party ! [1965]


コメント(抜粋)

特になし

企画者コメント

投票率10%の2作ですが、是非聴いていただきたいアルバムです。まずクリスマスアルバムですが、年末商戦への気合が伺える大変良くできたアルバムで、ホリデー感、ハッピー感ともによく完成されたクリスマス作品です。ビーチボーイズを聴かないひとに是非冬に暖かい部屋で流してほしい一枚。もう1つのパーティ!ですが、こちらはまさかのライヴ盤のように編集したBeach Boys唯一のアコースティック作品になります。ヒット曲Barbara Ann(ミニオンズおなじみ)を始めカバー曲ほかビートルズのカバー曲まで収録されている実にパーティ感、ホリデー感あふれる楽しい作品です。余談ですが2015年にBeach Boys' Party! Uncovered and Unpluggedという本アルバムに収録されなかったすべてのセッションが記録されたアルバムがリリースされておりコチラも彼らのアットホームな収録風景を感じ取れるので余力があれば是非聴いてほしい1枚です。

投票率20/100%のスタジオアルバム

All Summer Long [1964]
Summer Days (And Summer Nights !!) [1965]
Smily Smile [1967]
Love You [1977]

コメント(抜粋)

美しいハーモニーのグループでありながらガレージバンドであるという初期の傑作 - All Summer Long
初期の集大成 - All Summer Long
ホームランは出なくてもシングルヒットに盗塁と送りバントを絡めて2-0で勝っちゃう感じ。決定的名曲はないが、実は曲が粒揃い。 - Love You
ブライアンらしさがストレートに出てる - Love You

企画者コメント

私からのお勧めはもうなんと言ってもSmily Smile、Love Youに限ります。さて各2作の解説ですが、Smily Smileは実はリリース予定が無かったアルバムです。というのもPet Soundsの"音楽的"大成功から更にその先を突き進めようと始まった"Smile Session"。本来であれば"Smile"というタイトルでPet Soundsを超えるアルバムがリリースされる予定でしたが、ブライアンが途中で投げ出してしまい、契約上の問題で仕方なく出来上がっていたシングル曲といくつかのセッション音源の部品をつなぎ合わせリリースされたのが本作となります。それ故に建設中のサグラダファミリアの如くリリースされたSmily Smileはブライアンの創る美しさに隠れた陰鬱で狂った部分がむき出しになってしまったような作風となってしまい、バッシングを受けた部分もあるものの、今となってはビーチボーイズ屈指のサイケアルバムとして高い評価を得ている作品になります。さてそんな"Smile"ですが、その後時を経て2004年にブライアン主導のもとついにリリースされております。"サグラダファミリア完成版を"堪能したい場合は是非コチラを。また本家でも当時のセッション音源をフル活用してブライアン主導のSmileに限りなく近づけたSmile Sessionたる作品も2011年にリリースされています。
1977年のLove Youですがコイツもかなり独特です。というのもそもそもリリースするために作ったというよりは、ブライアンが作曲のリハビリでシンセを全編に渡って駆使した作曲群と呼ぶ方が正しいです。あのREMもお気に入りの一枚とのこと。そんな内容のアルバムですが決してクオリテイは低くなくBeach Boysとは思えないようなシンセアルバムに仕上がっております。なお余談ですが、5曲目のGood Timeは"Smaile Session期"に録音された音源です。

投票率25〜30/100%のスタジオアルバム

Sunflower [1970]
Surf's Up [1971]

コメント(抜粋)

名曲多数。ブルースも頑張った。 - Sunflower
腐る直前の禁断の甘み。知ったが最後、抜けられなくなる美しい世界。 -  Surf's Up

企画者コメント

ブライアン低迷期の集大成とも言える2作で、ブライアンを除く各メンバーの手腕が発揮された作品でもあります。この2枚はそれぞれ対極なテーマで制作されており、ジャケットの雰囲気からも分かる通り、Sunflowerはポジティブで時に放牧的な作風であるのに対して、Surf's Upはローファイでどことなく暗く時に陰鬱な作風となっております。また両作品は最後のトラックにSmile制作時に録音した楽曲を収録しており、聴くとわかるのですがアルバムのテーマはそれぞれの楽曲の内容を踏襲しているようにも思えます。とっつきやすさはSunflowerが断然上です。Surf's Upは一聴すると地味ですが、何度か繰り返して聴くと抜けられなくなる魅力も隠れているのも事実です。是非Sunflower→Surf's Up周回と聴くことをお勧めします。

投票率35/100%のスタジオアルバム

The Beach Boys Today! [1965]

コメント(抜粋)

初期ビーチ・ボーイズのキャッチーで爽やかなテイストがピークを迎え、サウンドや演奏も高いレベルにある。 - The Beach Boys Today!
A面の陽気さとB面の抒情性 - The Beach Boys Today!

企画者コメント

投票率の高さも納得の、初期ビーチボーイズサウンドの集大成とも言える名盤です。Aサイドはアップテンポに、Bサイドはバラード中心に切り分けており。各楽曲もバンドメンバーとスタジオミュージシャンの演奏バランスも良く、コーラスワークも一つの完成の域に達しており、フィルスペクターも顔負けの高レベルな作品に仕上がっております。本作はモノラルで、後にステレオミックス版がリリースされますが、まず聴くならブライアン流ウォールオブサウンドをモノラル版で堪能するのがお勧めです。

投票率40/100%のスタジオアルバム

Friends [1968]


コメント(抜粋)

坂本慎太郎の作風に通づるものがある - Friends
ブライアン以外のメンバーを含めた魅力に改めて気付かされた - Friends
聴くたびに何ともいえない切ない雰囲気 - Friends

企画者コメント

私も大好きなアルバムで、最投票数なのもうなずける特別な作品です。
Pet Soundsの成功、Smile Sessionの崩壊、そしてSmiley Smileの扉を開け、Wild Honeyの花園を抜けた先にたどり着いたカリフォルニアのホワイトアルバムとも言える、ビーチボーイズ・カリフォルニケイション・サイケデリアの極地であり、唯一無二の完成形と言えます。Pet Soundsの密室感とはまるで逆の、開放感あるサウンドスケール・プロダクションです。Pet Soundsから始まる旅の終着点と言っても過言では無いでしょう。

おわりに

小規模な企画でしたが、投票いただいた方々には感謝申し上げます。
この記事が、Pet Soundsやベスト盤しか聴いたことがないリスナーの
手助けになれば幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました。

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