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web3についてのレポートを読んでみた(4/N)

前回に引き続きレポートを読んでみました。

https://blockchain.bitflyer.com/pdf/web3Research2023.pdf

第6章 Defi

Decentralized Finance 
日本語に直訳すると、「分散された金融」

主にイーサリアムを中心としたパブリックブロックチェーン上の
ピアツーピア金融サービスの総称

coinbase
https://www.coinbase.com/ja/learn/crypto-basics/what-is-defiより

金融

金融についての理解が浅いため、
株式市場との市場規模を比較してみる。

野村資本市場研究所 主要取引所の株式時価総額推移(2012~2022年8月末)
http://www.nicmr.com/nicmr/data/market/stock.pdf  より
DeFi時価総額 CoinMarketCap より

株式市場の時価総額計 5,485 兆円
DeFiの時価総額計   5.2  兆円
約1000倍ほどの差がある。
まだまだとも言えるが一部が流入するだけでも、
市場へ与える影響があるとも言えるだろう。

金融と一言にいっても様々なことがあるので
金融に不可欠な銀行について考えてみる。
既存の銀行の役割は、「預金」「貸出」「為替」である。
(為替とは、現金を直接渡すの代わりに
小切手などで決済をすることをいう。
例えば、銀行振込は実際に現金を送るのではなく
口座間で数字を差し引きするだけなので為替にあたる。)

DeFi は「預金」「貸出」「為替」を
銀行という中央集権型ではなく
ブロックチェーンという分散型で実現することができる。
銀行には銀行の良さがあるだろうが、
銀行にはない良さを考えてみた。

  • 口座開設が誰でも、いつでも、どこでもできる

  • 個人情報が不要

  • 取引時間を問わない

などが考えられる。
この良さを自分自身が体験した事例をひとつあげてみる。

2022年2月下旬 ロシアによるウクライナへの侵攻が始まり、
ウクライナは大きな被害を受けた。
その被害への寄付として私は下記のとおり少額の寄付をおこなった。

寄付を実施した履歴(Etherscan より)

寄付の方法はシンプルでウクライナのウォレットアドレス
0x165cd37b4c644c2921454429e7f9358d18a45e14 に
自分のウォレットから送付するだけである。
寄付を思い立って、布団の中でスマホを取り出し
Metamaskを起動し金額を決め送付しただけ。
時間にして3分くらいで完結した。

もちろん銀行のインターネットバンキングのサービスでも
振込は可能だろうが、事前にサービスへの登録が必要である点を
考慮すると私にとってはウォレットからの寄付の方が気軽であった。

ここで一旦、「イーサリアム」「ピアツーピア」について
整理してみる。

イーサリアム

「イーサリアム」と聞くと、暗号資産の一つである「Ether」(イーサリアムの独自通貨)を指す意味で使われることが多いが、
「イーサリアム」自体は分散型のオープンソースブロックチェーンシステムのことを指す。オープンソースとして広く公開されている。
公式ページより引用する

WHAT IS ETHEREUM?

Ethereum is a blockchain with a computer embedded in it. It is the foundation for building apps and organizations in a decentralized, permissionless, censorship-resistant way.

https://ethereum.org/en/developers/docs/intro-to-ethereum/

embedded   「埋め込み」
foundation   「基礎、基盤」
apps        「自動工程設計システム」automatic process planning system
organization   「組織」
decentralized  「分散化された」
permissionless「無許可」
censorship   「検閲」
resistant    「抵抗する」
こんな意味の言葉が使われている。
簡単(?)にいうと
「イーサリアムはコンピュータに埋め込まれたブロックチェーン。
 分散化、無許可、検閲に強い自動工程設計や組織を構築する基盤。」
といったところだろうか。

イーサリアムの歴史について少し記述することにする。
2013年 当時19歳のプログラマーであった
vitalik (ヴィタリック)氏が提唱

イーサリアム 創業者 http://www.ethereum.org/

2014年 イーサリアムの独自通貨「Ether」の販売開始

当初の販売価格 Terms and Conditions of the Ethereum Genesis Saleより

The Genesis Sale will begin at 22:00 GMT
on Tuesday July 22, 2014.

当時のビットコインの価格が64400円程度なので
64400 × 0.0005  =  32円 ほどで販売されていたことになる。
ちなみに2023.1.7の価格は167,389円
9年間弱で5244倍となっている。
(当時の私はビットコインすら認識していた記憶がない。)

2023.1.7 ETH価格 CoinMarketCapより

これまで様々なアップデートが行われ、
今もなおアップデートされている。

ブロックチェーン技術を用いている点では
ビットコインと同じではあるが、大きな違いがある。
最大の違いは、appsが作成が可能であることであると思う。
appsが作成可能かつオープンソースということは、
大きな広がりの可能性を感じる。

イーサリアムとビットコインの違い 
https://ethereum.org/ja/what-is-ethereum/より

少し長くなってしまったので、イーサリアムについては以上とする。
(興味があればどうぞ。https://ethereum.org/ja/

ピアツーピア

ピアツーピア(Peer to Peer:略 P2P)とは、接続されたコンピュータ同士が対等の立場でデータのやり取りをする接続・通信方式の一つです。

ITを分かりやすく解説
https://medium-company.com/

対等な立場のコンピュータがネットワークに
参加しているため、一部が障害を起こした場合でも
他のコンピュータが稼働し対応できる。

このように役割を1つの箇所に集中させず、
「decentralized (分散化された)」を実現できるため、
ブロックチェーンでは「ピアツーピア」方式を採用している。
ネットワークに参加しているコンピュータのことを
「ノード」と呼ぶ。

では、現時点でどの程度の「ノード」が参加しているのか
調べてみた。

ノードの比較(2023.1.7時点)

「分散化」の指標として、重要になるであろう。

一方で別の接続・通信方式として
「クライアント・サーバー方式」がある。
処理の依頼をクライアント(パソコンやスマホなど)が
サーバー(Webサーバーなど)に対して行い返答する 
という仕組みである。
「ピアツーピア」と違いそれぞれに
クライアント と サーバー という役割分担がある。

それぞれのメリット、デメリットについて調査したが
クライアント・サーバー方式でも
「他の機器で代用できる」や「負荷を分散できる」などの記載が
ある記事も散見するため、もう少し勉強が必要だ。 

今回はDeFiについて記載をしてみた。
金融といったことは、自分の苦手分野であり
これまであまり考えてこなかったが
DeFiをきっかけとして金融の理解を深めていきたいと思う。

次回は第7章のDID/VC について記述していきたいと思う。

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