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FASTALERTを用いた防災DX机上訓練を都内5自治体合同で実施しました

JX通信社は、東京都内の26市長が組織する「東京都市長会」の令和6年度「多摩地域における行政のデジタル化の取組」の一環である「防災DX実証事業」(以下「防災DX実証事業」)に協力し、同事業の一環として、AIとSNSを活用したロールプレイ型の合同机上防災訓練を企画・運営しました。

この机上訓練は多摩東部直下型地震を想定したシナリオで、八王子市、府中市、小平市、国分寺市、あきる野市の5市から、防災担当職員の方々にご参加いただきました。都道府県の主催によらない、複数自治体の合同訓練は全国的にも珍しい事例となります。

本記事では、訓練の狙いと、実際の模様について、ご紹介させていただきます。自治体職員の皆様の、今後の防災訓練の企画の一助となれば幸いです。

実施概要

実施日:2024年7月24日
訓練参加団体:八王子市、府中市、小平市、国分寺市、あきる野市
事業実施:東京都市長会
支援事業者: KDDI株式会社
訓練統括:株式会社JX通信社

企画実施の背景

JX通信社では、AIを用いて、複数のSNSや、当社が運営するニュースアプリ「NewsDigest」のユーザーから得られた市民の災害目撃情報をAIと専門スタッフの確認により収集・分析のうえ即時配信するAIリスク情報サービス「FASTALERT」を、報道機関や企業の防災担当者、そして官公庁・自治体に対して提供しています。

今回、「防災DX実証事業」では、防災DXによる業務効率化の検討の一環で、「FASTALERT」を多摩地域の多くの自治体様に試行利用いただいていますが、実際の災害時に、SNSなどの目撃情報がどのように活用できるのかは、平常時の利用ではなかなか体感しづらいところがあります。
また、従来の市民からの電話通報や、警察・消防などの公的機関からの情報連携と、SNS情報などをどのように組み合わせて状況判断するのが効果的であるのかなど、当社の知見を交えたご説明を行ったうえで、実際の被害想定を念頭に作成したFASTALERTの模擬情報画面と、紙や電話による状況付与を交えた訓練をご体験いただきました。

訓練体制概要

当社では、これまでにも複数の自治体で、このような机上訓練に実施協力を行っていますが、今回のように、複数自治体からの参加者で班を編成し、日常の業務立場から離れてロールプレイを行う形の訓練は初の取り組みです。今回は「八王子市班」「府中市班」に加え、「都庁班」も編成することで、都道府県と市町村の間で発生する災害時の情報連携についても、課題をご体感いただきました。

JX通信社、KDDIのスタッフからも、「市民役」として、電話で通報を行う形で訓練に参加し、災害時に自治体に発生する業務負荷を体感させていただきました。

実施の様子

訓練は、約2時間にわたり、絶え間なく関連機関や市民からの情報が殺到する形で進行します。その一つ一つを正確に記録しながら、状況を把握し、適切な指示を出していきます。
電話通報に時間を取られる中、FASTALERTの画面では、AIと専門スタッフが判定した場所推定情報と共に目撃写真が音声読み上げ通知とともに表示され、地図上にプロットする職員の作業をサポートします。

KDDIスタッフが演じる市民からの「どこに避難すればよいのか」といった問い合わせに対して、FASTALERTの情報を確認しながら、「近所の避難所は危険か」といった確認を職員間で行い、応対を行う姿も見られました。

参加者の声

参加者の皆様からは、具体的なシナリオで訓練を行ったことで、より具体的な活用方法がイメージできた、映像が状況判断の一助となった、といった声が聞かれました。
また、今回のシナリオは昼間に発生した多摩東部直下型地震を想定したため、帰宅困難者の大量発生も念頭においた対応が求められました。駅周辺で発生する混乱の状況に対しても、適切な判断を下すための状況把握ツールとして、FASTALERTの有益性をご体感いただきました。
この訓練の模様は、TBSテレビ、朝日新聞などでもご紹介いただきました。

今後の当社の取り組み

今回の訓練は、特に災害時に殺到する情報をいかに効率的に可視化し、適切かつ迅速な判断につなげるか、をテーマに、FASTALERTの「情報分析・分類」「即時配信」「映像の提供」「場所の推定」などがどのように寄与するかに主眼を置いて実施しました。
他方、昨今の報道でも指摘されるように、「インプレゾンビ」問題に代表される、災害時の「誤情報・偽情報」問題も、自治体職員にとって深刻な課題となっています。
FASTALERTでは、そのような情報を徹底的に排除し、特に深刻なデマ情報に関しては、注意喚起の情報をリアルタイムに配信する取り組みを行っています。また、市民向けに提供しているニュースアプリ「NewsDigest」では、信憑性のチェックを行った情報のみをマップ上で表示し、市民間でも正確な情報が共有できるよう、サポートしています。

今後も、このような机上訓練の取り組みなどを通じて、AIやビッグデータによる防災DXの推進に、積極的に貢献してまいりたいと考えております。

JX通信社の提供するサービスにご関心をお持ちの自治体様は、こちらのウェブサイトからお問い合わせください。