日記170922

1.
時計の針が5時を指している。金曜日。またこうして今週が終わる。
「華金」という煌びやかな言葉のイメージとは反対に白々とした虚無感が漂うのは、土日出勤の予定があるからだ。
仕事でイベントに参加する際は不定期に週末出勤する事があるが、これといって忙しいという訳でも特別な役割がある訳でも無く、私の仕事は主に「そこにいること」。
イベントが開始したら、ステージ裏で貝の如くもの静かに待機するだけである。
今日帰宅したら、まずモバイルバッテリーを準備しよう。ど忘れ防止として「モバイルバッテリー」と自分宛てにメッセージを送る。

2.
午後から少しずつ降り始めた雨が、会社を出る頃には単調に降り続き、そこら中に水溜りを作っていた。
職場から駅までの徒歩7分。
ズボンの裾が濡れて足に纏わりつく。運悪くスニーカーを履いていた。靴の底からしみ上がる居心地の悪い感触を左足に感じながら電車に乗る。

3.
金曜日だし、という気持ちで最寄りのコンビニでビールと焼き鳥を買う。雨だけど、まあ。酒飲みはこうやって何かと理由をつけては酒を飲むのだ。
先月綺麗に施した単色のネイルが剥がれかかっていたので、ビールを舐めるように飲みながらごりごりと音を立ててヤスリで塊を剥がした。油でも塗ったかのようにつるんとコーティングされていた表面が無くなり、ぼろぼろになってしまったすっぴんの爪が顔を出した。なんだか少しだけ申し訳ない気持ちになり、労わるように補強液を塗った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?