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アイドルソングDJ失敗日記(2)

「口笛吹いて」


 笑い話にできないくらい恥ずかしいことですし、怒られるかもしれない話ですが「失敗日記」と書いてるわけだから、このまま正直に書き続けます。

 DJを始めるにあたって、DJについての勉強をしたりとか誰かに教えて貰ったりとか、ほとんどないままスタートしました。手探り状態だし、現場もほとんど知らないわけで知識は皆無。
 でも、好きな曲を交互にかけていけば大丈夫だろうと考えていたので、いたって能天気ではありました。自慢することではないですけど、テンポとかキーとか結構最近まで気にしたことはなかったです。今頃になって、ようやく少し気にするようになったり、ボタンやツマミの意味を知ったりしてる有様。ひどい有様です。でも、やればやったでやってこれたのも事実です。

 大好きな曲を編集して作るマイベストカセットみたいなものは昔からよく作っていたので、その要領でいいのではないかと思っていたのです。好きな曲が順番に流れていけば問題ないだろうと。きっと他のDJの皆さんはそんなことないはずです。お恥ずかしい。
 マイベストテープとDJの選曲は似てるようでいて、かなり違うものです。今ならそれもはっきりと分かります。ですが、異なるようでいて、実は同じではないかともまだ思っている。
 好きな曲を編集して作るテープも適当な順番で選曲はしません。起承転結というか聴いてて気持ちいい順番だったり、この曲にあの曲が続く意味を必死に考えます。

 前回も書きましたが「DJ」という場所で聴くと、なぜか曲が違って聴こえることがあるんです。その原因がなかなか分かりませんでした。考えても考えても分からなくなるだけで自信を無くしていく。
 それ自体にショックを受けたというよりも、自分の思い入れに反してしーんと静まり返ってしまう場に一番ショックを受けました。大好きな曲に共感してもらえないことに。この曲いいね!って言ってほしかった。いい曲選ぶあなたもすごいね!ってことを。
 それなのに、お客さんがどんどんいなくなる。誰もいない、まるで自分の部屋で一人音楽を聴いてるような気持になり、どんどん寂しくなってくる。DJが下手くそで落ち込んでるんじゃなくて、寂しい空気に耐えられなくなって落ち込んでしまう。
 自分の曲を自分で歌ったり演奏したりしてるなら、受けなくてもしかたないけど、要は人様の曲、それはもう名曲として評価も間違いない、を流してるのになんで反応がないのか?
 DJという行為やそういった場に馴染みがなかったので、ここがどうしても乗り越えられない壁でした。今も乗り越えたわけではありませんが…。
 そこから、初めてあれやこれやと迷走していくわけです。ちゃんとDJを勉強すればいいのに、そこを後回しにしながらひたすら変なことをやってみたりとか。色々と恥ずかしい経験をしながら。

 DJを始めるにあたって、「2つのデッキにそれぞれCDを入れて、好きな曲をひたすら交互に流していけば大丈夫」というところからスタートした自分ですが、もしDJを始めたいという人がいれば同じことを言うと思います。
 だから、本当に誰でもできるんですよ。好きな曲が何曲かあれば。自分の技術の無さは棚に上げて言いますよ、「簡単ですよ」と。
 そこから先は分かりません。違うじゃないか!!と後から叱られるかもしれませんが、どんなに経験を積んで技術を身に着けても基本はそこだと思うし、それしかないんじゃないかと考えます。


 RYUTistは新潟を拠点として活動する所謂「ご当地アイドル」です。

 2011年の結成から、メンバーの卒業加入等はありましたが、今でも元気に活動しています。
 自分がアイドルに夢中になったのがちょうど2012年前後、今までアイドルに無縁だったのが40歳を過ぎてから急にハマってしまったのです。
 そのきっかけは例に漏れず「ももクロ」ではありましたが、聴けば聴くほど日本全国に面白いアイドルが存在することを知り、次々と夢中になっていきました。そこから10年以上経ちましたが、相変わらず飽きずに聴き続けています。
 
 その流れで知ったRYUTistもずっとずっと大好きで聴き続けています。ご当地アイドルの枠に留まらない曲の多彩さ、ライブのパフォーマンスにきっと驚くと思います。それでも、あくまで「新潟を拠点に」というローカルさも保ち続けてるのが凄いところなんだと思います。

 夏のように暑くなってきた今の季節なら2ndアルバム『日本海夕日ライン』がお薦め。「日曜日のサマートレイン」はDJでかけると最高です。
 でも、個人的に一番好きなアルバムは3rd『柳都芸妓』です。2017年の作品です。新曲が出る度に最高傑作を更新してるRYUTistですが、このアルバムの他と少し違うトータルなイメージも含めて、ずっと愛してる宝物みたいなアルバムです。
 特に「口笛吹いて」をライブで聴くと涙が止まりません。CDで聴く音楽、ライブで聴く音楽、DJで誰かと共有する音楽。なんで同じ音楽なのに違った表情を見せるんでしょうか?古い音楽が古いままの郷愁で終わることもないし、新しい音楽は音楽でまた別の刺激を与えてくれる。

 何十年も音楽を聴いても分からないことばかりなのに、たかが十数年アイドルやDJにハマったことで分かることなんて何もないです。でも、ちょっとは何かが分かるような錯覚はある。あるような気がする。ありますか?




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