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これでいいやじゃなくって

お題「袋」で何を書こうかと考えたとき、すぐに頭に浮かんだのは胃袋…食べることが大好きだから?…でも、胃袋からイメージを膨らませても胃下垂気味だという話しか出てこなかったので笑、ほかの袋を探していた時…冷え性の私は、外出先で手がかじかんで思いつきました。今日手袋して来ればよかった〜あ、『手「袋」』!!


向田邦子さんのエッセイが好きです。

気品があって強くて、でも時々人間くさくて、おちゃめな向田さんの姿に、かっこいいなぁ素敵だなぁ、と憧れを抱きます。日常の風景でも、向田さんの着眼点と筆にかかれば、ものすごく興味深い読み物になります。しかも、2022年の今、私が読んでいても共感できる内容が、新鮮さとおしゃれさを持った文章でつづられていることがとても魅力的です。思わずつばを飲み込みながら読んでしまうような、おいしいものの話がたくさん出てくるところも大好き。


特に何度も読んだ、お気に入りの一作は「手袋をさがす」

手袋をはめずに、寒くてもやせ我慢をしていた22歳の自分の姿を振り返るところから、話は始まります。向田さんが手袋をしないで過ごしていたのは、 “気に入らないものをはめるくらいなら、はめないほうが気持がいい、と考えていた” から。でも、見かねた上司からのある一言で、これは実は手袋だけの問題ではない。と、向田さんは、 “ないものねだりの高望み“ の性格を見つめなおすことに。そして、その性格と、とことん付き合う決心をして…。

これを読むと、向田さんの向田さんたるゆえんというか…どんなことを考えて、人生をどう切り開いて生きたのか、を垣間見ることができます。私は、何かに挑戦するときや、自分がこれからどうなりたいのか考えるとき、他にもいろんな場面で、このエッセイをふと思い出します。説教くさいわけでも暑苦しい感じでもないのですが、読めば心がホカホカしてきて、前を向ける、そんなエッセイです。


私は『夜中の薔薇』/1981年/講談社.でこの話に出会いましたが、名作なので、ベスト・エッセイや、昨年出たムック本にも収録されていたと思います。読んだことのない方がいたら是非!

ネタばれってどこまで?有名だからみんな知ってるかな?とか色々考えながらの初めてのnote、書いていてなんだか少し緊張しましたが、向田さんのエッセイの魅力を共有できたら嬉しいです。




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やっぱりjazzがいいかなと。

書いた人:ちっくん
ひとこと:春休み序盤はぼーっと過ごしていたのに、今になってやりたいことが沢山出てきて、じたばたしています。

WACODES

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