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【2023横浜ベイスターズ】横浜4連勝!の陰で、巨人は新聞拡販の道具だったことが判明

<横浜頂戦>は、もはや夢ではなくなった!?

2023年プロ野球ペナントレースの開幕にあたって、横浜ベイスターズの理想とする先発オーダーを、ここ<note>でラインナップしてみた。
(3月30日開幕前夜)
 
ところが、いざ、フタを開けてみると、三浦監督の采配は(当たり前だが)まるで違っていた。

【3月31日/阪神との開幕戦の先発オーダー】

(※カッコ内は打撃成績)

1番:佐野(4打数-1安打) 2番:林(3-0) 3番:神里(2-0) 4番:牧(4-1) 5番:楠本(4-0) 6番:関根(3-0) 
7番:戸柱(3-1) 8番:森(2-0) 9番:石田[投手](1-0)

もちろん阪神の予告先発が横浜の苦手とするエース青柳(下手投げ右投手)だから、左バッターを手厚くする布陣だったということは分かるにしても、上記のカッコ内に示したとおり、先発打撃陣はわずか3安打に終わり、三浦采配は裏目に出てしまったことになる。
(皮肉なことに、途中出場した宮崎は2打数2安打3打点、中日から移籍した京田も1打数1安打と、ともに打率10割の成績だった)
 
「三浦監督は策におぼれた」――これがスポーツ紙記者や評論家の一致した意見だった。
 
その試合を含め開幕4連敗を喫して、「今年は<横浜頂戦>のチームスローガンを掲げたはずではなかったの?」とファンが悲嘆にくれるころ、三浦監督は打順を一部組み替え、これが見事に当たる。

【4月9日/中日との3連戦最終試合の先発オーダー】

1番:佐野(5打数-3安打) 2番:林(1-0) 3番:宮崎(4-2) 4番:牧(4-1) 5番:桑原(4-2) 6番:関根(4-1)
7番:ソト(4-2) 8番:戸柱(2-1) 9番:石田[投手](2-1)

中日の先発投手・福谷(1回で降板)の不調もあっただろうが、横浜は初回に6点をもぎ取ってほぼ勝敗を決し、試合が終わってみれば、戸柱1号佐野1号のホームランを含め合計14安打の猛攻(8打点)で、石田~三嶋~石川~ウェンデルケンの投手リレーで零点に抑え、快勝した。
 
開幕初戦から宮崎、桑原、ソトを先発オーダーに加えておけば、スタートダッシュも夢ではなかった――と思うのはわたしだけではないはずだが、一般紙の朝日新聞だって、大見出しに「負けなし打線 はまったベイ」、中見出しに「応えた宮崎 上位機能し4連勝」と書き立てた。
(2023/04/10付朝日新聞スポーツ欄)
 
4月11日からヤクルト2連戦、14日から阪神3連戦、18日から巨人2連戦……と長いペナントレースは続いていくが、今永と大貫は最近の2軍の試合でも好投したそうだから、そこに大リーグから鳴り物入りで電撃入団したサイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアーが機能してくれれば、<横浜頂戦>も夢じゃない!?
 
心配なのは、他ならぬ、読売巨人軍(ジャイアンツ)のことだ。

巨人戦の切符はプラチナ・チケットだった

“巨人、大鵬、卵焼き”が好きと言われた昭和の少年たちの例にもれず、わたしも巨人ファンだった。
 
巨人の左打ちの坂崎選手に憧れ、同じ背番号19のユニフォームを小さな洋裁店を営んでいた母に作ってもらったほどだ。
 
小学校の草っぱら野球チームの一員になったころ、エースの渡辺くんが読売新聞専売所の息子だったので、彼に頼み込んで、小遣い銭稼ぎに夕刊配達のアルバイトをしたことがある。
 
配達にも慣れてきて、1か月くらいたったころ、ちょっとツライことが起きて、アルバイトを辞めようと思い、渡辺くんにそう打ち明けると、彼は、数日後に隣市の川崎球場で開かれる巨人VS大洋(現・横浜)のオープン戦のチケットをくれた。
 
オープン戦と言っても巨人戦だけは当時からプラチナ・チケットだったから、宝物のように抱いて寝たのだが、残念ながら、自車事故でひたいに7針を縫う怪我をしてしまい、巨人の試合を観ることはできなかった……。

「我々の命の新聞部数は巨人の成績いかんにかかっている」

そんな遠い日の思い出をなぜ書く気になったかというと、読売巨人軍は日本プロ野球界の盟主と自他ともに認め、セ・パ両リーグの他の11球団が巨人戦なくしては興業成績があげられないと各オーナーから頭を下げ続けられてきた結果、<V9>(1965~1973年)以降、いつしか傲慢な球団となり、それに嫌気がさしてファンをやめたが、巨人戦のチケットはダフ屋が出るほど絶大な威力を持っているということを示したかったからだ。
 
一方で、読売新聞社が後楽園球場(現・東京ドーム)の巨人戦チケットを新聞拡販の材料に使っていることは昔からよく知られ、ナベ・カマ・コメそれにビールなどより人気があったそうだ。
 
それにしても、こんどは読売巨人軍そのものを拡販材料にしようという。
これは時代錯誤としか言いようがない。
 
朝日新聞は、囲み記事で、そのことを詳しく伝えている。

「プロ野球巨人を応援する経済界有志の集まり「燦燦(さんさん)会」(会長・御手洗キャノン会長兼社長)の総会が7日、東京都内であり、原監督らを激励した。/入院中の長嶋元監督の姿はなかったが、読売新聞社の渡辺主筆が車いすで登壇。「我々の命の新聞部数は巨人の成績いかんにかかっている。9連覇、10連覇をぜひともお願いしたい」/主筆は、オコエや松田ら新戦力の名前もあげて期待を込めた。96歳の“怪気炎”に気押されたのか、額の汗をぬぐう選手も。」

2023/03/08付朝日新聞より

<読売新聞社の渡辺主筆>の言葉は<激励>というより、業績達成への<至上命令>のように聞こえる。
 
しかも、露骨に、「我々の命の新聞部数は巨人の成績いかんにかかっている」とまで言っている。
 
たしかに、この<note>にこれまで書いてきたように、新聞各紙は年々販売部数を落とし、世界一の販売部数を誇ってきた読売新聞社もかなり焦っているだろうし、そのことはメディア界の危機として懸念している。
 
だけれども、大新聞社の主筆であれば、新聞社社員にハッパをかけるのがスジで、傘下のプロ野球監督・選手に“君たちが頑張ってくれなければ困るんだよ”とでも言いたげな発言は、ほんとうにスジ違い、ここまでくるとホンモノの“老害”としか言いようがない。
 
<プロ野球巨人を応援する経済界有志の集まり「燦燦(さんさん)会>の<会長・御手洗キャノン会長兼社長>という人物も、また、“老害”と言える。
 
なぜなら、<読売新聞社の渡辺主筆><御手洗キャノン会長兼社長>も、安倍晋三という戦後最長の最高権力者(その死に対しては心より追悼する)を寵愛してきた人物なのだ。
 
そのことは、<安倍政権>時代の<首相動静>にはっきりと刻まれている、逃れようのない<事実>だ。
 
原辰徳監督もまたどうかと思ったのは、渡辺主筆の発言に対して、“読売新聞の部数拡大に尽くすよう頑張ります”(要旨)と<直球>で返したと、別のメディアが報じていた。
 
原監督が発言すべきは、“今年こそは優勝めざして頑張ります”ではなかっただろうか。
 
それでなくとも、原監督の采配は、首をかしげる場面が多いと、野球評論家の多くが指摘している。
 
その端的な例が、4月9日の広島戦(4-2で広島勝利)だ。
ソフトバンクから移籍した松田選手は、吉川選手の代打として起用され2打数1安打を放った。
 
そこまではいいとして、吉川選手の定守備位置である2塁を松田選手に実戦では初めて守らせ、松田選手は正面の簡単なゴロを捕りそこね、おまけに1塁に悪送球してしまった。
 
巨人ファンのかたには申し訳ないが、GMをも兼ねたような<全権監督>原辰徳(ハラタツノリ)氏の長期政権はそろそろ終焉のときを迎えているのではないだろうか。
 
このままだと、読売巨人軍(ジャイアンツ)=自由民主党ということになりはしないか、それが元少年ファンとしては心配でもある。
 
==おわり 長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました==

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