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宮本武蔵と吉川英治1

鶴山先生は宮本武蔵についても、かなり研究されていて、メモも大量に残っています。その一部を順次紹介します。

最近のアメリカでは、日本人が最も尊敬する人物として宮本武蔵が紹介され大変なブームになっているという。これは・・・、
太平洋戦争の焼跡から立ち直り急成長を遂げ、技術後進国から先進国に、そして経済大国になった日本に対し、アメリカはその思惑が外れ想定外の成り行きに脅威を感じ、経済学者にその解明のため全力をあげさせた。最初は「菊と日本刀」の再検討から始まり・・・、そこでは解明されていない日本人があることを発見したのである。その研究の一つとして、日本の企業(大企業から中小企業まで)の幹部から尊敬する人物の割り出しをしたところ、共通する者として宮本武蔵があがってきた。この宮本武蔵とは徳川時代のサムライ像であった。
アメリカ人がこれこそ日本成長の秘密と考えるMUSASHIとは何か?以下この問題を考究してみよう。

戦後の日本では、宮本武蔵は「剣をもって人間完成の道を開こうとした武の神髄を極めたサムライ像」として、また、絵画や彫刻もした理想的な武人として大変な人気がある。昭和10(1935)年吉川英治の長編小説が朝日新聞に連載(1935~1939年)され、剣客宮本武蔵の半生を描いた大衆文学の傑作は、戦中はむろん、戦後も大変な売れ行きで中年以上の人なら必ず読んだといわれる国民的な小説だった。また、小説を基に、映画、舞台、テレビ等で数えきれぬほど取り上げられている。
宮本武蔵は吉川英治を通じて理想的な「己を研さんした武人」としてアイドル化されたのである。吉川英治が作り上げた「武蔵像」は、宮本武蔵に対するイメージを決定的にし、その影響は未だに続いている。

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