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大坪指方先生のこと1

「過去を顧み、現在に立ち、未来に進むわれらが古武道研究にはげむのは、武道を通じて人間の正しい生き方を求めるためなのである。」大坪先生の言葉です。先生は鶴山先生の新陰流兵法の師でありました。先生との出会いから、教わった口伝等のたくさんのメモがありますので順次紹介します。
なお、大坪先生の新陰流兵法は柳生厳周→下條小三郎→大坪元治という系列のもので下條師から目録位を伝授されたと聞いています。ここで紹介する口伝は下條師からのものでしょう。これについてのコメントや解説は付さず、そのまま紹介することとします。

日比谷公会堂で古武道大会があり見学に行った。柳生新陰流兵法として大坪先生が出ていた。最前列で見ていたら、大坪先生(仕太刀)の歩き方は、親指が上方に反り上がっていることに気づいた。演武後、大坪先生を待ち、そのことを聞いてみた、これが私(鶴山先生)が始めて大坪先生に会った時のことである、30年前(昭和28年ごろ)であった。「この足運びは殿中で畳の縁を踏まないためとのこと、乱調(乱踏)といってお能の足運びであって金春流から来たのだ。」と大坪先生は語った。

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