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大東流合気杖3

前稿に、杖の使用目的について『「つえ」は歩行の補助が目的であるのに対し、「じょう」は複数の目的を持ち歩行補助としての使用法は、その一部に過ぎない』とありますが、「じょう」の使用目的は鶴山先生によると次のとおりです。
 ・処刑用補助具 刑罰を科するときに使用するもの 刑杖、拷問杖
 ・宗教用補助具 神仏の修行のときに使用するもの 錫杖、金剛杖
 ・護身用武器  護身用の武器として使用するもの 鉄杖、刀杖
                         (僧兵が持つ長刀)
 ・民間宗教用補助具 修行僧ではなく、一般民衆(信者)が使用するもの
                           六根杖、巡礼杖
 ・担用(にないよう)補助具 上記のいずれにも該当しないもの
 
ところで、杖術の他に棒術があります。両者は外形的には同じに見えますが、その太さが異なり(棒の方が太い)ます。十手術練習用の短棒より長く、長棒より短いものは「棍棒」であって「杖」とは呼ばれません。棒術は、農民・職人・商人の護身用武器であり、捕方用具としての六尺棒も奉行所勤務の捕方(武士ではない)が習う武術だったのです。そして、杖術は対剣を主体とした技法であるのに対し、棒術は対剣が主体ではありません。
 
大東流合気杖には、この棒術由来の技法が伝承されています。棒を杖に持ち替えて稽古することから「杖寄せ」と呼ばれ、前後左右からハサまれたり、三角にハサまれたところ、これを抜けるという技法群です。なお、皆伝技法には、棒(槍之事)口伝があり、合気棒術に関する鶴山先生のメモが残っています。

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