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日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道15

ところで、江戸柳生系合気柔術の教外別伝に合気杖の形があります。この中で太刀等による攻撃を捌く稽古をします。上記のような達人レベルに至っていない我々の目付はどうするのか? 筆者のお勧めは、相手の後ろ足、腰回りを見ることです。通常の間合いであれば相手は踏み込まないと攻撃できませんから、動きの端緒をとらえるのに、適した目付なのです。先師は「心で応じろ」を語りましたが、最初のうちは無理です。初心の目付に集中することでその先の展開があるものと信じています。

「それに応じて技をかける」江戸柳生系合気柔術では、相手の攻撃に対し様々な体捌を行い、次にいろいろな技をかけるという形になっています。体捌は、旋手・抜手・掛手・当身からなる手捌と入身・転身からなる脚・腰捌、そして受身に大別できます。それぞれに口伝の秘技が内在された至宝です。そして技、第1~4か条の一般技、四方投・小手返・入身投・回転投の基礎技、そして合気投、これら技法を総称して基本技といいます。

さて、「合気道」という名称からはもはや何もわかりませんが、その源流である「合気柔術」という名称からはいろいろわかります。すなわち、上記技法は合気の要素と柔術の要素が合体されたものである、名称のとおり、ということです。また「柔術合気」ではない、こともわかります。

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