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極意秘伝のはなし20

さて、起倒流は茨木又左衛門俊房が流祖で、江戸柳生家にあって、福野七郎右衛門(良移心当流)らとともに武芸の研究・錬磨を行い、沢庵宗彭の指導も受けた、とされています。起倒流には、本記事に引用されている、本體・天之巻・地之巻の他、人之巻(形目録)、性鏡巻、秘伝書が伝わっています。

ここでは、参考のため地之巻の項目を紹介しましょう。敵に柔剛強弱之事・無拍子之事・調子之事・位之事・先の先、後の先之事・水上之胡芦子(ころし)之事・気体之事・志気力差別之事・前後際断之事の9か条です。新陰流兵法や不動智神妙録からの引用が見受けられます。

次に性鏡巻、口述の項目の目録で、二勢(虚実)・五行(水・火・木・金・土)・陰陽の三つは中庸であること。性気(陰陽五行の理に従って人が動く(性)こと、理が動くこと(気))・心(性の動くこと)・機(機会についての判断)・志気(邪気を払う)・太極(無極に合一)と説いています。
秘伝書については、その項目を紹介します。曲尺・北辰・合鏡・虎喰・鏡垂・磯波・鉄山・露月・草偃(くさのなびき)・電光・石光・身剣です。この書も、不動智神妙録に則り、人として、武士としての生き方、勝負における処し方、またその心がけを説いたものと評されています。

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