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戦国時代の金銭事情(上)

大東流とは無関係ですが、このような鶴山先生のメモがありますので紹介します。鶴山先生は今で言うサービサー(金融機関にかわって、返済が滞っている債権を管理・回収する専門会社)のような仕事もされていたので、興味があったのかも知れません。(全3回)

足利幕府(室町幕府)の失政から世の中が乱れ始め、後に戦国時代と呼ばれ60余州が戦乱にまみれた。戦争により上下の生活が苦しくなると、借金しなければ生きていけなくなった。室町時代は金銀銅による貨幣経済に入っていたわけだ。銀は量目(りょうめ=重さ)で取り引きされ切遣(きりづか)いの古丁銀(銀塊)が使われていたが、豆板(まめいた)銀の普及とともに使われなくなった。また、青銅銭の永楽銭(永楽通宝)が明から輸入され流通していた。第4代将軍の足利義持は国内通用の永楽銭(地金)を鋳造していたとの説もある。なお、永楽銭は徳川幕府が使用禁止にするまで通用していた。このほか、京銭(きんせん=中国から輸入した銭のうち、特に質の悪い南京銭) 、各地の豪族や分限者(金持)などの私鋳銭(民間において公許を得ずに鋳造された銭貨)、それから、古い唐銭、欠け銭・形なし銭・割れ銭・ころ銭・なまり銭・新悪銭など悪貨六種と呼ばれる鐚銭(びたぜに=粗悪な銭貨)が横行していた。

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