見出し画像

大東流合気杖2

鶴山先生の研究(『護身杖道』)によると、最初から「杖術」のみを表芸とする流派は、ほとんどないとのことです。また、同じ「杖術」と称していても、その基礎となる技法は異なっていることが多く概ね次のように区分できる、とされています。
 剣技から発達したもの
 棒(六尺)・半棒・短棒(十手)の区分による捕方技から発達したもの
 修験者が用いた錫杖(しゃくじょう)から発達したもの
 半槍又は薙刀(なぎなた)の技法を応用したもの
 上記の系列に属さないもの
 
ところで、杖は通常「つえ」と読み、歩行の補助を目的とした道具を指します。では、「つえ」と「じょう」の違いとは・・・、鶴山先生によると次のとおりです。
 長さで区別する 「じょう」は「つえ」よりも長尺のものが多い
 頭部の装飾で区別する 「つえ」は頭部に装飾を施したり、紐や房を
  付けているものが多い。一方「じょう」は仏具としてのもの以外、
  装飾はほとんどない
 使用目的で区別する 「つえ」は歩行の補助が目的であるのに対し、
  「じょう」は複数の目的を持ち歩行補助としての使用法は、その一部に
  過ぎない
 名称で区別する 「つえ」の名称はその外形から名付けられたもの(鹿
  杖・鳩杖・弓杖など)が多いが、「じょう」はその外形から名付けられ
  ているわけではない
 隠し武器で区別する 「つえ」には、仕込み杖のように刀・槍・鎌・鎖
  玉などを隠したものがあるが、その形態はあくまで歩行補助具の形をと
  っている。一方「じょう」は隠し武器を一切取り付けていない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?