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極意秘伝のはなし7

前述の通俗用語の説明をいたしましょう。

「怒髪天を衝く」とは、人怒れば、肝を破るといって、癇癪(肝積(かんしゃく))玉の破裂を言い現わしています。子どもの「かんの虫」が高じると、火がついたように泣き出し、それが高じると「ひきつけ」を起こします。日常生活においても、木と木を摩擦すると火を生ずるので、肝を木に象形しています。天体の木星が青色であるところから、肝を青色で表わします。

「相模太郎肝甕の如し」この肝は、肝胆相照らすといって、人間信義の交を表現していますが、生理上から見ても、肝胆は表裏していて相互作用をしています。胆は決断の気を宿すところとしています。「肝心要」は肝腎というのが正義であって、腎は尿の精錬所で、尿は水であります。
肝は木を象徴するので、水と木が相助け合って、木が繁ることになります。これを相生といって、事を反映成就させるにはこの両者が調節のよろしきを計らなければなりません。

「馬鹿の大食」は胃の飽食のこと、胃は食物の甘酸・辛苦・熱冷のすべてを消化するので、土を象徴します。土は何でも吸収しますが、飽和状態となると土は崩れて、万物生長の機能を失います。土星は黄色ですから土を黄色で表わします。

「中風」は、風が当たるといって、中は的中・命中を意味します。したがって、寒風・冷風が前に記した経脈に作用して、内臓を侵し、脳神経を侵して、ついに手足の経路に異変が生ずるのであります。

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