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合気陰陽法之事(続)-(中)

江戸柳生系の技法は、柳生流柔術であって、そこには三学円之太刀のほか、新陰流兵法の極意(体捌)が使われている。また、十字手裏剣になぞらえて、10本の技を基本とした。1~5か条・小手返・四方投・入身投・回転投・天地投である。

また、同じ1か条という名前にしても、その内容が異なる、江戸柳生系では1本(1か条腕押さえ)だが、小野派系(柔術)では1か条は30本ある。
昭和62年9月に合気ニュース主催の「第三回友好演武大会」が読売ホールで開かれたが、そこで近藤勝之が、大東流と合気道は違う、大東流では1か条は30本あり、そのうち合気道の1か条に似ているのは一本捕だが、その内容は合気道のそれとは違っていると、主張していた。武田時宗氏の技は小野派系であるから、合気道の原形の江戸柳生系合気柔術とは違うものだから当然のことだ。

ところで、植芝合気道には「呼吸投」と称する言葉がある。これは江戸柳生系合気柔術のものであって、植芝合気道の如く単なる「合気投」のことではない。江戸柳生の躰之術では、初心者用の借力による「合気投」と「呼吸投」の2種類がある。盛平はそこまで習っていないが、言葉だけは知っていたようだ。小野派系にはこのような区別はなく、気合投と合気投がある。

また、小野派系には合気八法は存在しないが、私(鶴山先生)の本を読んで、大東流には合気八法があると時宗氏らは説明している。これは、膝行法も同じで、電電グループの整然とした華麗な膝行捌きを見た時宗氏は驚き、私の説明をそのまま利用して、膝行法も取り入れたのである。

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