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極意秘伝のはなし17

前号に引き続いて、経絡・陰陽・虚実の東洋医学を人体活動に実用していたことを柔術各派の秘伝書によって研究してみよう。
起倒流
本體より
本体とは体の事理(技と道理)である。形を離れ、気を扱う。正しい理を自得しなければ、気を扱うことはできない。静貌(せいぼう=静かな外観)にして静気を得る境地に達すれば、敵の強弱がよくわかる。これに通じれば敵が千変万化してもこれを制することができる。これがすなわち虚実にあたる。体が正しいことを根本の務めとする。故に本体という。
天之巻より
起(おきる)は陽の形、倒(たおる)は陰の形である。陽にして勝ち、陰にして勝ち、弱にして強を制し、柔にして剛を制す。我は力を捨て、敵の力を利用して勝つ。もし、我が力を頼んで、我が力を出す心があったら、勝利は完全ではない。勝利すべきところ、その方法は、身体は敵に随って変化するけれど、我が心は不動心にして静かであるときは勝利が得られないハズがない。当流に本体ということを始めに示している。本体とは何を言っているかというと、心裏虚霊にして神気不動のことを本体というのである。(以下略)

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