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生活と合気道2

また、合気の技は「和」を最も尊びます。「和」と云う事は人生において欠かすことの出来ぬ尊い真理であります。小さくは自分の家庭に於いても、大きくは国家に於いても然りであります。

この「和」の真理が全世界に徹底したら戦争と云う様な事は起こらず、真の平和が生まれるのではないでしょうか。また会社等に於いても、上下の「和」が保たれれば誠に美しく能率的な会社が生まれるのではないでしょうか。

現代の武道と云うものは昔の武道と根本精神は同じですが、その修練の目的は自ずから相違があるのではないかと思います。昔は、自己の保身と食うため、そのための心の鍛錬でありました。現代の目的とは、自己の保身と云う事もあるかと思いますが、それよりも大切なのは、自己の確立と同時に、これを通じて、世のため、人のためになり自己の生活に於いて、一つのバックボーンをつけること、即ち自己の生活を意義あるものにすること、ここに真意があると思います。

巨万の富を持つといえどもそれを真に社会のため、人のためになるような使途をせぬ限りその富は画餅に帰すことになります。それと同じように、多少なりとも何らかの世のためになるように心がけを用いたなれば、それは巨万の富以上の社会に対する働きをなすことになります。これはその人の人格を高めるものと思われます。

私たちの生活に於いて、合気道の理念の如く自然に即応し無理をせず、互いに憎しみを持たず、常に楽しく稽古ができる生活を行うように心掛けたく思います。どうか皆様も、その様な心掛けで、日々の稽古を訓練されることを望みます。

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