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大東流の口伝7

では、各口伝について、詳解しましょう。
巴卍之事・六法千鳥之事
巴卍(ともえ、まんじ)とは、巴脚・卍脚すなわち足捌きの口伝です。
一方、六法千鳥は腰捌きの口伝です。
見かけ上、巴脚と千鳥はいわゆる内股で同じ形、卍脚と六法はいわゆるガニ股で同じ形なのです。では、なぜ2通りの言い方があるのでしょう?
 
ところで、これらは避ける動作=入身転身法の口伝ですが、柔術では入身転身法を重視していません。正々堂々正面突破、避けるにしても単純な捌きだけです。接触後の制圧技術を重視しているからです。
一方、江戸柳生系合気柔術では入身転身法を重視しています。合気柔術躰動法(杖対太刀の形)や呼吸体操(合気之術の入門の形)、教外別伝の懐剣術や鉄扇術などでもあらゆる入身転身法を教えています。合気柔術は多敵之位からの護身法を学ぶべきクラスの者の必修課程であるからです。巴卍・六法千鳥とは、このときに必要な足捌き腰捌きなのです。この入身転身法では回転捌きを多用するので、そのための予備動作として用いるのです。ここまでが、口伝の表面的な解釈になります。口伝の本線ですから重要です。その先とは・・・

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