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応急処置法10

では、ねんざと同時に擦過傷を負うなど、痛めた場所に皮内針を刺入できないときはどうするか?です。
これも、赤羽幸兵衛著『皮内針法』から知りました。人にはシーソー現象(命名者は赤羽氏)が起こるということを利用するのです。これも福島聰著『誰にでもすぐできる[特効]鍼灸治療法』にわかりやすい説明がありますので引用します。
 
シーソー現象について
これは赤羽師が発見した画期的な身体現象の理論です。これを利用すると誰でも日常すぐ使える治療法になります。
シーソーは公園にある、あのシーソーのことです。身体の片方の側に故障や疼痛がある状態をシーソーが斜めに傾いている状態とします。例えば、シーソーの下に下がっている方を患側とします。健側の方に強刺激を与えるか、患側の方に弱刺激を与えると、あたかもシーソーが水平になってバランスがうまく取れるように、疼痛が消え身体が回復し始め、やがて治ります。それを赤羽師はシーソー現象と名付けました。患部に有効な効果をもたらし、治療になるということです。
例をあげて具体的に示しましょう。よくある例で、弁慶の泣き所といわれる脚のスネを強打してうずくまるほど痛い場合、近くに転がっている石やビンを拾って、いいほうの(健側)の脚の同一部分をたたくのです。その際、あまり強くたたくと怪我をするので、ゆっくり何回も痛くなるまでたたきます。痛くなったその時には、患側の痛みは消えています。まことに奇妙きてれつな方法ですがやってみるとわかります。しばらくしてまた痛くなったら、また同様の作業をすれば治ります。その場合、痛みは和らいで初めのような痛みはありません。プロは石っころじゃ金が取れないので針を使います。例えば、健側には強刺激の「瀉法針」か太い針、あるいは患側には弱刺激の皮内針です。(続)

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