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大東流合気杖1

「人之巻」大東流合気柔術の教外別伝に合気杖があります。
大東流合気杖は、極めてユニークな技法群で、杖(じょう)を武器として用いるテクニックに重点が置かれていません。すなわち、敵と我との間合(距離)を体得することを主目的とし、付随して投技・固技(蜘蛛之巣伝を含む)、応用技法が整備され、合気杖として一体系が完成しています。また、合気杖の基礎技法は懐剣術などの初伝として位置づけられるなど汎用性の高いものなのです。
合気杖には常寸はありませんが、目安は一尋(ひとひろ:両手を拡げた幅)以内とされています。通常稽古では、市販されている4尺2寸のものを用います。
 
さて、日本伝合気柔術では、杖対太刀の形稽古が重視されます。これが合気杖の基本体捌です。太刀に対する恐怖心を和らげるために、太刀よりも長い杖を使って、太刀に対する体捌きを稽古します。これを習得すると、杖より短い小太刀・懐剣を用いた体捌きを稽古し、最終的には太刀対素手の捌きを習得するのです。ここでのポイントは、得物の長さが変わっても、体捌動作の術理は共通である、というところにあります。なお、この体捌は竹下ノートの技法に頻出します。また、久琢磨からは奥伝技法として杖対二刀の組形が伝承され、その手順等を記した鶴山先生のメモが残っています。

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