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日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道14

以上のように「無心の境地」は目指すべき高みではありますが、難しいことです。次の「相手の意図、動きをとらえ」は技術的にとらえるのがお勧めです。目付のこと、と言い換えてもよいでしょう。

これも新陰流兵法において研究されています。上泉伊勢守は「三見の大事」と口伝しています。
相手のどこを見ればその働きをとらえることができるか?これには三つあると教えています。
太刀先 太刀先を見ることで、敵の太刀の長さが分かり、斬り込んできた太刀が当たるか、当たらないかを判断できます。また、構えの特徴や太刀筋がわかります。
拳 敵が斬り込んでくるときに最初に動くのは敵の拳なので、拳を見ていることで攻撃するタイミングを察知することができます。
顔 顔には意思が表れます。そこで、敵がどこを狙っているのか、敵がいつ斬り込んでくるかを知るために、敵の顔を見ていることが大事です。
そして、顔のどこを見るかを次に口伝しています。「目付二星(にせい)之事」です。すなわち、心の窓たる目を見るのが極意の目付とされています。

これらの目付に関しては、そこを凝視してはいけないと教えています。凝視すれば、意識がそこに固着してしまうからであす。この3点を意識しながら、全体を俯瞰するということが大事なのです。ここで「無心の境地」とつながるわけです。

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