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日本伝合気柔術 技法稽古に入る初学者のための基礎知識5

体捌術理の変化・発達に関する武術源流考察要訣(続)
Ⅱ素肌武術
合戦が無く平和な時代になると甲冑武術(介者剣術・鎧組討)は不用となった。心得として・鍛錬としての甲冑武術の伝承もあったが、その多くは失伝した。一方、甲冑から解放され身体操作が自由になったことから、武術の主流は素肌武術となり剣術と体術が分離し、技法もそれに合わせて変化すると供にそれぞれ独自に発展していった。
素肌武術は甲冑武術に比べ制圧する威力(重さ)は小さい、これを補うため自在な変化動作・素早い対応動作が生まれた。すなわち、全身活用による柔軟で俊敏な動作を活用し入身・転身など今日に続く新たな術理の創案とともに新たな応用展開が生まれたのである。
 
日本伝合気柔術は行動哲学
皆伝の口伝によれば大東流三大技法は、公武合体後の管理者武道として構築されたもので、江戸時代の世襲制を前提に三大技法別にその対象者、習える範囲が厳格に決められていた。これを引き継いだ日本伝合気柔術は三大技法別のコンセプトは尊重しつつ、身分的な制約を取り払い、多彩な技法と兵法(生活の教訓・自己防衛術)を内包する行動哲学として指導している。

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