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杖道護身の形8

(承前)
2親指の使い方
片腕を諸手で掴まれたとき、ハンドバッグ・カバン等を強奪されんとしたときに親指の先に力を集中して、相手の力の入っている腕の急所の部分に直角に突き立て骨に向って圧迫すると、30貫(112.5kg)の巨体も指一本で倒すことが出来ます。親指に気を流さないと突き指します。
補足説明:親指の使い方・封じ方は手の内の技術のポイントの一つです。その構造・役割を知りいかに活用するか・働かせないかを稽古を通じて学ぶのです。
 
3人差し指の使い方
相手の眼を突くことに用いる。指先に力を集中することは前項と同じである。なお、以上の要領で二本指・三本指・四本指となれば、更に強力となり相手のあばら・顔面に当てると効果があります。(続)
補足説明:大東流合気柔術では、人差し指のみ用いる捌きを一文字(以下三文字まで)といいます。指取りされた場合と、指で攻める技法の両方を稽古します。
人の手は関節が多いことから自在に動かせます。この自在さが有効な場合と、不利に働く場合があります。普段遣いでは不利に働くことは少ないでしょうが、武術的には「不利に働く」場面は多いのです。これをいかに克服するか、先人の知恵が詰まったところです。一般に「手の内」と呼ばれるこの技術には、不思議はありません。明解な技術論で解決できる、言い換えれば誰でも出来るものなのです。

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