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合気柔術・新陰流考2

大東流には密教の教義がバックボーンとして流れている。真言密教でいう金剛界・胎蔵界という二つのものを柔と剛すなわち合気と柔術に対比させ、二つで一つである両界になぞらえ合気柔術としているのである。また、合気柔術の基本理念を新陰流としたのは活殺自在の柔(活)と剛(殺)を顕在化したものと考えられる。合気柔術は柔術をその原型としているが、柔術の基本原典は合戦組打ちである。

ところで、植芝吉祥丸が昭和59年9月20日付けで成美堂出版より「すばらしい合気道」という本を出した。半座半立のことを半身半立と書いている。これは全く日本文字の意味も名称の理由もわかっていないということだ。現在の植芝合気道は半座半立でもなければ半身半立でもない。ただのベタ足であるからそれは正座である、正しくは「正座半立」とでもいわなければならない。半座半立は柔術にも出てきて、こちらが原典のものを合気柔術として殿中の技法に取り込んだものである。新陰流も特に江戸柳生は城中畳の上での技法(=護身法)が特色となり、素肌武術として合気柔術の原典になっていったのである。

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