武術の技術的変遷(概説)-甲冑武術から素肌武術へ-
江戸時代以前は、剣術と体術が未分離の時代でした。
大東流技法は、甲冑(かっちゅう)を装着した甲冑武術=介者剣術と鎧組討が原点とされています。
先人達は、身体動作の制限から術理を発見しました、すなわち、甲冑の重量と動きの制約を克服するため理合いに即した体の使い方を研究する中で術理(重心の移動、充力、抜力…)を見出し、身体操作の極意を得た、のです。
合戦もなく、世の中が平定されて以降、甲冑武術が不要になってくると、心得としてや鍛錬としての伝承もありましたが、その多くは失伝しました。武術も甲冑を捨て素肌武術へと変わっていったのでした。
また、剣術と体術も分離し、それぞれ独自に発展しました。
甲冑武術では、その重さを活用した捌き、甲冑の隙間などその弱点を攻める技術が中心でしたが、素肌武術では、身体操作がより自由になったことから、攻撃方法にも、捌きにも、新たな応用展開が生まれ発達して、今に伝わっているのです。
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