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大東流の三大技法(続)25

乾之巻の秘伝(別称「合気柔術七ヵ条」)は、多人数捕等で構成されています。多人数捕五ヵ条がその中核技法です。そしてその一部(1本目)は、武田時宗が写真で公開しています。総伝技法(第5巻)にも掲載されています。
鶴山先生のメモによると・・・
武田時宗氏がよく写真で発表しているものに、両手持ちの小手返の技がある。どうやって両小手を捕らえるか、その後どうなるか判らないように配慮されている。また、演武会でも一度も発表されたことがない。これは時宗さんの秘伝になっているからである。
これは多人数捕五ヵ条の1本目である。秘伝では、まず座取りにて基本捌きを稽古する。これは左手首を諸手取りされ、小手返・内小手・外小手の捌きを修得するのである。本来は、左腕のみの練習である。(これは、その多くが右利きである日本人の場合、左手で出来ることは、右手ならすぐ出来るとの考え方から)
そして、立合に入る。第1~3か条までが小手返とその応用展開、第4~5か条は前後形で締めくくっている。
 
第4~5か条の前後形は、杖対太刀の組形や合気二刀剣にも類似の捌き(いずれも奥伝以降の形)が出てきます。ここに、前後敵を捌ければ多敵之位に対応できるという新陰流兵法由来の考え方が見受けられます。

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