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大東流の口伝22

「合気拳法」の当身は、一撃必殺を目的としていません。相手を制圧するための崩し・防御動作なのです。これを仮当といいます。なお、決め打ちは本当です。

では、日本伝合気柔術における当身(仮当・本当)の機能を紹介しましょう。
 霞の当:裏拳(うずらの卵之事)を用いて神経反射を一瞬惑わせ、
     その間に施技する。
 間合を測る当:入身など体捌をして、当身が入ったということは、
        施技可能な間合に入れた、ということ。
 返技防止の当:攻撃又は施技の途中で当身を施し先をとり、
        返技や裏技を予防する。
 試合用の当:多段同時当、連続多段当で相手を圧倒する。

日本伝合気柔術では、技法を便宜的に「攻撃動作→体捌法(避ける動作・崩す動作)→制御法(技・養生動作)」(連載6回)に分けると既述しました。
当身は体捌法の「崩す動作」の一技法ですから、体捌という動きの中で施技されます。入身・転身などの体捌の中で用いられ、融合動作・融合連続変化動作として活用されるのです。言い換えれば、当身が単独で用いられ、それで終わる、という技法はありません。技の中に溶け込んでいて、多用されているということです。例えば、鷹の爪という掴み方がありますが、これも当身です。要は、ある捌きを当身的に用いるか、その意識を消して用いるかの違いといってもいいでしょう。

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