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杖道護身の心得1

今回から『護身杖道』から護身杖道・活用編の項目を紹介します。鶴山先生の考え方がよく表れている説明です。
 
1護身杖道の心得
武道の心得のない者が、その場の興奮から暴力に対抗し得ぬ場合もあるし、また女性の場合に危害より逃れようとすることは、相手に付け込ます機会を作らせることにもなります。この場合、被害者が護身術を習得しておれば、毅然たる態度で臨み、これを未然に防ぐことが出来ます。護身術とは、文字に示すとおり身を護ることであり、このこころに護身術が他の武道に対して限界が存在するものであります。すなわち、柔道・竹刀剣道の如く、武をスポーツ的に競うことを目的とせず、身を護るために武を利用することを最終目的とすることの差異であります。元来、武とは戈を止ましむとの意であり、武道そのものが、護身の意でなくてはならないものであり、柔道・竹刀競技・ボクシングの如く、我から相手に攻撃を加え、勝った・負けたといっている競技より、無益なる闘争心・敵愾心をいたずらに高めていることであります。(続)
補足説明:「武とは戈(ほこ)を止ましむとの意」とありますが、これは中国最古の部首別漢字事典『説文解字』第十二篇下に「武」とは「夫武定功戢兵、故止戈為武」(楚の荘王の言葉:それ武は功を定め兵をおさめる、ゆえに戈を止めるをもって武となす)と解説されていたことから「武は戈を止めるもの」との字源説が主流でした。「止」は左の足跡の形からかたどられた象形文字で、歩む・進むという意味であり「戈を持って進む(攻める)」とするのが、現在の定説とされているようです。

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