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日本伝合気柔術 技法稽古に入る初学者のための基礎知識4

武家の婦女子の心得
武家の婦女子は、家を守るため自身を守るため薙刀及び懐剣をもって対応する。そこで薙刀術・懐剣術の心得が必要となる。

日本伝合気柔術における懐剣術習得法は、次のように三段階の階梯がある。
杖之事 杖操法(杖対太刀)の習得 
太刀より少し長い杖を使って、恐怖心を和らげつつ、太刀に対する間合を覚える。
小太刀之事 小太刀操法(小太刀対太刀)の習得
太刀に対する恐怖心が少し和らいだ時点で、太刀よりも短い小太刀を使って太刀に対する間合を覚える。
懐剣之事 懐剣操法(懐剣対太刀)の習得 
小太刀による体捌きを習得したら、更に短い懐剣を使って太刀に対する間合を覚える。
 
体捌術理の変化・発達に関する武術源流考察要訣
甲冑武術から素肌武術へ
甲冑武術(剣術・鎧組討)
徳川家康が全国を平定するまでの諸合戦においては、鎧・兜を装着して戦った。ここでは、上体を真っ直ぐにして、足を開き重心を低くする姿勢(沈なる身)を保持して身体操作を行なう必要があった。この当時までは、剣術と体術が未分離の時代であって、この介者剣術と鎧組討が武術の原点である。

全体重(甲冑の重量を含む)を利用する打砕きと突き、斬り上げ・下げが甲冑武術の特長である。甲冑の重量と動きの制約を克服するため理合に即した体の使い方を研究する中で術理(重心の移動、充力、抜力…)を見出し、身体操作の極意を得たのである。また、斬れない相手をどのように崩す(鎧組討に持ち込む)か、という観点からの技術(新陰流兵法)も生まれたのである。

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