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極意秘伝のはなし21

制剛流
表九ヶ条一巻に「骨法」がある。
術は捕手の方法を記してあるが、骨法には今日の整復法(整骨)に応用しているのが多々含まれている。

補足説明:表九ヶ条一巻には、次のようにあります。
一 骨法 受手 安坐(あぐら)
  三段の位 ・一骨を定め三角に身を作る
       ・地へ打ち込む
       ・敵向こうへやる心
居形(骨にて固める心)、左ひざを立て(膝行)、右足を受手の真ん中に進め、右手で右手を取り、左ひじを肩に当てて押し倒す(5か条の如く)受手の右腕を我が胸に固定し、喉笛を強圧し極める。(腕の代わりに足で右腕を制しても良い、手首をひざで押さえても良い)
 
さて、制剛流は水早長左衛門信正を流祖とする、柔・捕手・縄・居合などからなる流儀でした。門人の梶原源左衛門直景が尾張藩徳川義直(家康の第9子、尾張徳川家の祖)に仕官し、柔術師範(150石)として仕えました。残念なことに制剛流は、長岡家の抜刀術しか流伝はなく、他の技法は失伝したようです。
中山先生が引いた、「表九ヶ条一巻に「骨法」がある。」とは、「俰 仕方口伝集」筆頭の技です。この書は制剛流俰(やわら)の各技の使い方を簡単に記載した備忘録です。
同書冒頭には、制剛流俰伝として次のようにあります。
「柔表、捕手表といっても違いはない。柔は奥深く入る。捕手は生け捕りのこと。討は組打である。また、足軽捕手を教えるのは素肌武術としてである。・・・」
このことから、制剛流柔術は足軽用の技法であったことが推測されます。
さて、「俰 仕方口伝集」には、表九ヶ条、後捕五ヶ条、立合八ヶ条、小具足二十九ヶ条、堅め十六ヶ条、縄八ヶ条、柔手続十五ヶ条、柔組合九ヶ条、柔羽手十七ヶ条が説明されています。

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