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大東流の三大技法(続)27

鶴山先生は、なぜ合気道技法の修練を推奨したのでしょう?
それは、合気道技法の自由な入身転身や体捌が必要になる(有用である)、と考えたからだと思います。

例えば、同じ江戸柳生系合気柔術系統である琢磨会の技法と合気道を比べてみると、体捌に大きな違いがあることがわかります。本来の体捌は数㎝でよいのですが・・・、でもこれは達人技です。実際、新陰流兵法の二十七箇條截相の急之太刀や八箇必勝ではこの捌きを用いています。

さて、日本伝合気柔術では、体捌を重視し、杖対太刀の組形を通じて、先ず避けることを体にしみこませます。(これを体得すると、新陰流兵法の稽古ではマイナスに働いてしまうことが多いのですが・・・)そして、これに連動して合気道技法の稽古をするのです。初心者は武術的な体の使い方など知りませんから柔術テクニックを用いた合気柔術などの組形は難易度が高すぎるのです。先ずは、テキトーで甘くてもよいから形の動きを覚え、ブラッシュアップしていくのです。そのうち、様々な疑問が湧いてきます、この疑問に向き合って稽古することで一定程度の上達が出来るのです。

そこから先は、本格的な合気柔術や柔術テクニックの稽古となります。大東流三大技法は元々、武術初心者を想定した構成にはなっていませんから、武術の心得のない現代人にとってはハードルが高いのです。そこで大衆化された合気道技法を超入門として活用する、これが先生の考えの一つであったのです。

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