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蒔田完一氏『護身杖道』に意見する7

(コラム-承前)
昭和10年に武田先生が持参された鉄杖を実際に手に取り確かめられた生き証人は、久先生だけである。そのため筆者は、種々の疑問点を質問した。ある日のこと「鶴山君、実はネ、僕が武田先生から免許皆伝を受けた(昭和14年3月)とき、“鉄扇”と“ごじ杖”の特別指導を受けた。その折、特別な約束があったので、公開文は“六尺余の錫杖”と配慮していたのだヨ」と、久先生は惣角先生の錫杖につき、意外な真相を語られたのである。この話しを聞かされた時(やはりそうだったのか)、その証言を予期していなかっただけに、その感動は衝撃的な思い出として頭に残っている。大東流に関する秘密の一端が解明されたのである。ともかく、秘技事項が多い大東流のこと、武田先生の鉄杖が“ごじ杖”と呼ばれるものであったことがわかったのである。大東流の伝書に“御信用之手”の文字があるので、久先生は“御信杖”と書くのが正しいと思っておられた。コラム-続)

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