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合気柔術の技法(続)1

鶴山先生は「大東流考」とする大柱のもと、いろいろな論考や講義メモを残していますが、今回は、サブタイトル-合気柔術の技法(続)-を紹介します。昭和59年8月に書かれたこのメモの内容は、noteで既に公開したものと重なる部分もありますが、そのまま掲載します。 

久琢磨の技を研究すると、同じ技がいっぱいあり、惣角が教えに来ていた時代の写真を思考によって整理したものであることがわかる。「天人地」に整理した教本(総伝11巻のこと)をくれたが、この区別の意味も検討の要ありである。

昭和41年当時、久先生によれば「この写真集は終戦時、本土決戦で空襲、もろこの技法が無くなってはと思い本を出すよう内容を整理して出版を依頼した。終戦後この出版社の社長が訪ねて来て、工場が焼けて出版が出来なかったことを詫びてきた。しかし、写真だけは大切なものとして田舎に疎開させていたので、助かったと持ってきてくれた。すっかりあきらめていたものなので、道統が絶えることがない、天の配材と感謝したものである。」とのことであった。要するに、本にするために座り技、半座半立、立ち技と区別し整理したことから、大東流合気柔術の真の体系は分からなくなっている。そのことを久先生はすっかり忘れていたのであった。私の質問に対し、
「君の言うとおり、本当はどうなっているのか、この教本では分からなくなってしまった。君のような質問をした者がいないので、この本は初心者にも分かるように、こういう技もあった、こういう技もある。大東流の体系は皆伝の時に解釈総伝に上がる口伝のみで、具体的な技の配分はこの教本では配慮していない。」ということであった。

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