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技法真髄14

補足説明:胸取りは肩取りより厳しい(難しい)技法になります。中心を取られる(制される)ため、引きにも押しにも弱いからです。片手取り→両手取り→片手取り+打ち→突き→二刀剣(御信用之手)と稽古し、さらに序破急の順で展開されます。足捌き・腰捌き・転身などの基礎捌きが必要とされることから重要な稽古法と位置づけられています。塩田剛三先生が多用していた胸の開閉の技術も学べます。

胸取りでは、重心の移動の理合を覚え、また2か条等が効かない場合の対応を学びます。一般的に、いわゆる基礎技法だけではその先のレベルに進めないのです。パターン化した形で術理を習得するのですが、逆にそれがネックとなってしまうからです。そこで、返技を含む応用技法の稽古が必要となるのです。感性を磨き、体が自在に反応できるよう訓練することで、基礎技法の術理の意義が理解体得できるのです。基礎技法→返技→返技(基礎技法に戻る)と一巡することで、本当の意味の基礎技法がわかる、ということです。なお、胸取りの掴み方にも口伝があり、掴みによる攻撃法を教えています。

また「胸元を取られるのは槍で突いてくるか、また剣を青眼に構えて突いてくるのと同じ道理である」とあるとおり、掴み技と突き技は同じものです。より捌きが難しい掴み技を習得することで、突き技には容易に対応できるという教えです。

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