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新陰流兵法目録事14

補足説明:奥義之太刀は石舟斎が晩年に、九箇之太刀など流祖の教え(勝口)から新たにそのエッセンスを抽出して作った形です。絵目録にあるとおり、奥義之太刀は7本あって、最後の八箇必勝(8本で一つの形)は、尾張柳生家の皆伝技法でした。ちなみに江戸柳生家では二十七箇條截相の急之太刀(9本)をもって皆伝技法としていたそうです。皆伝技法の内容というか、その本質はどちらも同じです。

では、奥義之太刀についても、その技術論にごく軽く触れておきます。
添截乱截(てんせつらんせつ)は、左太刀の形です。軽い太刀捌きから、重心移動による体当たりがポイントです。
無二剣は、くねり太刀の形です。打太刀の左太刀を破る形です。不安定のコントロールが重要です。
活人剣(かつにんけん)は、無二剣のくねり太刀を破る形です。体の一体化と重心の移動がポイントです。
向上(こうじょう)は、活人剣の仕太刀をくねり太刀で破る形です。同じく、体の一体化と重心の移動がポイントです。
極意は、くねり太刀を破る形です。体幹を板のように使い、重心の移動と連動させることが大事です。
神妙剣は、神妙剣を用いた折り敷く形です。体幹を捻らないことと、やはり重心の移動との連動が求められます。
八箇必勝は、転打ちの形です。打太刀がどのように攻めて来ようが同じ技で勝つ、単純明快、かつ、有効な技です。

以上、鶴山先生のメモの紹介でしたが、技を知らなかったハズなのに、ここまで分析できる、先生はすごい、と改めて認識させられました。(完)

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